なんか蘊蓄記事が続いてしまいましたが、伐折羅についてもうすこし書いておきたいのでもうしばらくお付き合いください。
と言っても伐折羅大将の話ではないのですが。
伐折羅という名前はサンスクリット語のvajraヴァジュラの音訳になります。ヴァジュラとは金剛杵という武器のことなのですが、仏像や仏画で非常に多くの仏様がこのヴァジュラを手にしているのでここでついでに説明しておきたいと思います。

ヴァジュラはもともと古代インドの主神インドラが持っていて雷を操るとされていました。
世界でもっとも硬い金属、あるいはダイヤモンドで出来ているとされ、柄の両端に槍状の刃がついた形をしています。
言葉ではわかりづらいので絵をお見せすると・・・


仏像彫刻修行の日々~林の中の象のように~

↑こんなかんじです。上の絵のものは刃が一つづつなので独鈷杵と言います。

刃の数におうじて三鈷杵五鈷杵七鈷杵九鈷杵と呼び方が変わります 

仏像彫刻修行の日々~林の中の象のように~
五鈷杵はこんなかんじです

仏教ではあらゆる煩悩を打ち砕く、ダイヤモンドのように強固な仏の教えの象徴として多くの仏像がヴァジュラを手にしています。

また名前に金剛と入る仏様は、みな名前にヴァジュラと入っていて、手にもヴァジュラを持っています。
執金剛神(ヴァジュラパーニ)
金剛力士(ヴァジュラダラ、仁王)

金剛夜叉明王ヴァジュラヤクシャ
などです。

とここまでヴァジュラおしで話してきたのですが・・・、じつは名前がもろヴァジュラの伐折羅大将はヴァジュラを持っていなくて、剣を持ってるんですよね。
困った。どなたかそこら辺ご存知の方がいたらご教示いただけないでしょうか。