今日は少し寄り道と言うか、僕のブログのタイトルについて説明しようと思います。

まあ、前半の仏像彫刻修行の日々はそのまんまなのでわかると思いますが、

「林の中の象ように」ってなに?って思いますよね。

実際そう聞かれたりもしました。

実は「イノセンス(押井守監督)」と言う映画の中で、若干違った言い回しで使われていたので、見た方は聴き覚えがあるのではないでしょうか。

自己紹介でも少し書きましたが、これはダンマパダと言う経典からの引用なのです。

このお経は法句経と言う名前で漢訳もされているのですが、日本の仏教…というか
いわゆる大乗仏教ではあまり読まれません。
タイやスリランカ・ミャンマーなんかの上座部仏教で読まれているお経です。

それで日本や中国のお経と何が違うのかと言うと…まぁ、簡単に言うと古いんです。
そして、パーリ語という話し言葉で書かれていて、内容もわかり易く出来ています。

その中の象の章というところで、神聖な動物である象に例えて修業者の在り方について書かれてるんですね。

以下に林の中の象についての箇所を引用してみます。
328 もしも思慮深く聡明でまじめな生活をしている人を伴侶として共に歩むことができるならば、あらゆる危険困難に打ち克って、こころ喜び、念いをおちつけて、ともに歩め。


329 しかし、もしも思慮深く聡明でまじめな生活をしている人を伴侶として共に歩むことができないならば、国を捨てた国王のように、また林の中の象のように、ひとり歩め。


330 愚かな者を道伴とするな。独り行くほうがよい。孤独で歩め。悪いことをするな。求めるところは少なくあれ。――林の中にいる象のように
中村元訳 岩波文庫「真理のことば感興のことば」より

孤独バンザイって感じですね。一匹狼でいけ!みたいな、なんかロックな感じがします。
僕は最初、なんとなくそんなイメージでした。
でも実は、インド人的には修業=一人って感覚があるみたいです。
マヌ法典にも、修業はとにかく一人で頑張れ!と書いてあるそうです。

そうなると前半の、良い道連れがいるなら一緒に歩みなさい、って部分がお釈迦さまの独創性のような気がします。
ただし、そんな仲間はなかなか見つからないから独りでもくじけるなよ~。って言ってるような、そんな気がします。

ちょっと強引な気もしますが、林の中の象のようにこれからも頑張って修業していきたいと思います。