「大塚国際美術館」で様々な絵画を拝見いたしました・・・が。

   地下三階からスタートし、地下二階・地下一階・一階・二階へ

   本館から別館、池に囲まれた「モネ・大睡蓮」等々を順に、又

   戻りを繰り返して拝見する内に「分類」が混乱してしまったが、

   撮影した「陶板名画」をご紹介してみたいと思います。

 

   「龍を退治する大天使ミカエル」

   12世紀前半

   イタリア、湖畔の街・チヴァーテの山中に位置し俗世から離れ

   佇む「サン・ピエトロ・アル・モンテ聖堂」のフレスコ画・漆

   喰彫刻

   福音書記者の「聖ヨハネ」が、神の啓示を書きつづった「黙示

   録」は「キリスト教の教え」の基本をなすもので、その思想は

   広く伝わり、「聖堂」の入口やその他の重要な場所を飾る主題

   となっているそうです。

   母親が赤子を神に委ねようとした処、七つの頭を持つ「龍」が

   襲ってきます。

   そこに「大天使ミカエル」ほか天使の軍団が現れ「龍」を退治

   して、赤子は無事に「キリスト」のもとに・・・・・。

 

 

   「キリストのエルサレム入城」

   1140~43年頃

   イタリア・パレルモ パラティーナ礼拝堂

   「キリスト」は、死を覚悟しての最後の布教の地「エルサレム」

   に向かう。

   「ロバ」に乗り「キリスト」が来る、主の前を歩くは「ペテロ」

   後方には「ヨハネ」を先頭に弟子が続きます。

   右側には城門の戸口に立って迎える信者たちが群れ「キリスト」

   の通る道には 棕櫚の枝が敷かれ、衣を脱いで敷く子供達が居る。

   (金地に色鮮やかな配色は 宮廷礼拝堂に相応しい 華やかさを見

   せ、それは釣り合いの取れた人物配置とよく調和しているとか)

 

 

   「冥府への降下(アナスシタス)」

   11世紀前半

   ギリシャ、オシオス・ルカス修道院主聖堂(中期ビザンティン

   建築の傑作と云われ、他の二つの修道院(ネア・モニ修道院・

   ダフニ修道院)と共に「ユネスコ世界遺産」に登録されている)

   十字架を手にした「キリスト」が冥府の扉を打ち壊し「アダム

   とエヴァ」他の善き行いを成した正義の者達を連れ、天国に行

   く処だそうです。

   左側には「ソロモンとダヴィデ」が立って、金一色の背景地に

   必要な最小限の人物と事物を描くだけで画面構成が成され、簡

   潔にして明快な構図を完成させているとの事です。

 

 

   「十字架上のキリスト」

   1272年

   ペルージャ、ウンブリア国立美術館

   「大型十字架板絵」の出現は、礼拝形式の変化により内陣と身廊

   を仕切る梁上に設置されて、遠くからでも見えるようにした為で

   あるそうです。

   十字架上には1230年代に創造された息絶えた「屍のキリスト」

   が表わされています。

   上段円形板には「祝福のキリスト」、その下には「二天使を伴う

   聖母」が胸像が描かれ、これらは略式の「キリスト昇天」を示し

   るとの事。

   また足元には「聖フランチェスコ」が描かれているようです。

 

 

   「わが唯一の望みの」(「一角獣を従えた貴婦人」より)

   15世紀末

   フランス・パリ、クリュニー美術館(国立中世美術館)

   通称「一角獣と貴婦人」は、六枚一組の著名なタピスリー(綴織

   壁掛)で、この作品は「視、聴、嗅、味、蝕」の五感をテーマと

   したシリーズのまとめとして 最後に配されるものと解釈される。

   テントの屋根の縁の銘文「わが唯一の望み」は、正しく働く自由

   意志を示し、感覚の意のままではなく、自由意志が働くなら、そ

   れは正しい行為に導くと云う考えを表わすそうです。