当地で暮らしておりまして最近とみに実感するのは、何と言っても「人が増えた!」ということでしょうか。
当コラムでも、過去何度か取り上げたシンガポールの人口動態なのですが、改めて整理してみますと、以下の通りです。
The Singapore Department of Statistics
1990年から2000年の10年間で約3割増(+1百万人)、2000年から2010年の10年間も約3割増(+1.1百万人)となっています。
私自身は2006年初から当地に居住しているのですが、直近の2006年末-2011年末の変化だけを見ますと、4.4百万人から5.2百万人と5年間で約2割増(+0.8百万人)となっていますので、実感としての「人が増えた!」はお分かりになろうかと思います。
又、人といいますと、何も居住人口だけではなく、外国からの観光(商用)客もいるわけでございまして、来星外国人数の推移は以下の通りとなっています。
http://www.singstat.gov.sg/stats/themes/economy/tourism.html
同じく2006年-2011年の変化を見ますと、9.6百万人から13.2百万人と、5年間で約4割増(+3.4百万人)となっています。
特に観光客の場合は、この小さな島国の中でも(当事務所がございます)オーチャード通りとかマリーナ地区といった観光、買い物等の一部地域に集中しますので、実感としての「旅行者が増えた!」も、うなずけるものかと思います。
尚、2012年の来星外国人数は1月-6月で7.1百万人となっており、通年では14百万人に達する模様です。
閑話休題:
国土交通省観光庁http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.htmlによりますと、日本国における訪日外国人旅行者数は2001年の4.8百万人からピークの2010年には8.6百万人に増えたものの、昨年は震災・原発問題で6.2百万人と大幅に落ち込み、今年は上期やや回復したものの下期は領土問題で中国人旅行者が減ってしまい相変わらずぱっとしないようです。
観光資源的には世界的大国とも言える日本国のこの惨状はある意味「不可思議」とも思えるくらいです。
国土面積(710平方キロ)で日本国(377,944平方キロ)の0.2%以下、居住人口でも4%未満のこの小国シンガポールが、日本の倍以上の集客をしているという事実には愕然とさせられるといいますか、むしろ奇妙にすら思えます。日本国のインバウンド数は少なくとも一桁違って然るべきですねえ。
ということで、生活実感としてのシンガポールの環境変化の第一は、なんといっても「人が増えた!」ということなのですが、これは一体いつまで続くのでしょうか?
少なくとも居住人口についてはCapacityとしてどこかで限界が訪れるはずです。
先般リー・シェンロン首相はTV番組の討論会の中で、「シンガポールは6百万人を受け入れる事は可能である」という発言をしているのですが、6百万人といいますと現在の5.2百万人からするとわずか15%増で到達してしまう数字でして、近い将来に訪れてしまいそうです。http://www.channelnewsasia.com/stories/singaporelocalnews/view/1227467/1/.html
で、そこから先は一体どうするのでしょうか?
そういった中、先日「シンガポールからイスカンダルへの投資、今年に入り急増」という見出しの記事が目を引きました。
http://www.asiax.biz/news/2012/11/12-103127.php
イスカンダル開発区プロジェクト(IDR)(通称「イスカンダル計画」)というのは、シンガポールが接するマレーシア・ジョホール州南部を対象とした開発計画でマレーシアのジョホールバル(JB)とシンガポールを一体化させる新都市計画と言われています。
その対象地域はシンガポールの面積の3倍に及ぶ2,217平方キロという広大なもので開発期間は 2006~2026年とされています。
電気・電子や石油化学など既存の産業を強化するだけでなく、金融や教育といった新規産業の形成も目的とし、又、それらに併せて居住地域・レジャーの開発も含まれるといった大規模都市計画となっています。
http://www.iskandarmalaysia.com.my/faqs
シンガポールのMRT(Mass Rapid Transit:地下鉄・鉄道網)をJBまで延伸するという計画もあり、やはりシンガポールの将来像というのはマレー半島への先祖返り(侵食?)ということでしょうか?



