勉強の息抜きにYouTubeザッピングしてたら、なかなかクールな昔の劇場アニメを発見した。
1965年の「サイボーグ009」と1966年の「サイボーグ009・怪獣戦争」の2作。
東映動画の劇場作品で、調べたらTVシリーズ放映前に映画館にかけられたという。凄い野心的な試みだ。
第一作はタイトルBGMはインストのみ。二作目は、男性コーラスによる聴き馴染みのある「♫紅ァ〜いマフゥラァ〜………」が迫力あるステレオ音響で聴かせてくれる。
声優陣は、昭和のモノクロTVシリーズとは主要キャストが少し異なっているようだ。
劇場版は、あのジュディ・オングさんが003“フランソワーズ”を演じている。他に、藤村“ガバチョ”有弘、曽我“ゴッドイグアナ”町子、内海“ブライキング・ボス”賢治、八奈見“ドンズラー”乗児、はせ“チョーさん”さんじ、大竹“カータン”宏……………と、斯界レジェンドが勢揃いで、なんとも賑やかな声ぶれだ。そこに、第二作には市原悦子さんがゲストでお出ましになる。まるでまるで、芝居の楽屋みたいなごった煮状態。
イイなぁ、昭和時代のアニメーションって💕💕💕
第一作のタイトルは、東映マークと標題に続く、シルエット背景画が素晴らしい。
石森漫画のキャラ体型やアクション構図をよく掴んでいる。黒抜きのシルエットデザイン考えた美術スタッフの人に、最優秀効果賞👑差し上げたい。
なお当時既に東映動画大泉スタジオに所属していた高畑勲氏&宮崎駿氏のコンビは、作画スタッフには参画してないようだ。宮崎氏が原画を手掛けると必ず宮崎流キャラに造形が寄ってくる。次作「空飛ぶゆうれい船」でしっかりそれが出始めている。ジブリ映画の端緒は高畑勲氏なら「太陽の王子ホルスの冒険」、宮崎駿氏では「空飛ぶゆうれい船」に見つけることができると思う。2人のことだから、既定の原作とぶつかりあいながら作って行ったのだろう。そこへ来ると、009二作はこの両名が関わっていないだけに淡白である。ジブリ映画と東映動画は、この両名のある無しで大きく峻別できよう。今更こんな事書いても仕方ないけど……………。







続く翌年の第二作。
基本シルエット背景画は同じだが、スタッフテロップの字体が、ノーマルなゴシック体から、やや斜体にしてポップ調を取り入れている。
フォントも絵の邪魔にならないように小さくしてサイドに配置し、画面全体のバランスが良くなった。
ただ題名がよろしくない。怪獣戦争?
なんかどこかで聞いたことある怪獣映画の題名をパクったみたいだな💢💢💢
そして、繰り返しになるが美少女ヘレナの声は、市原悦子さんがどういう理由でかわからないが、充てている。
薄倖の少女なのに声と台詞口調が、マンマ大沢家政婦紹介所の石崎さんなんだな。全然変わらんのだな、市原悦子って役者は昔も今も。
東映動画の変な癖は、必ず声優専門でない顔出し俳優を主役級に抜擢していることだ。白蛇伝は森繁久彌だったし、安寿と厨子王丸は北大路欣也、太陽の王子ホルスの冒険は平幹二朗をフィーチャーしている。子役時代の風間杜夫は、わんぱく王子の大蛇退治で主役のスサノオを堂々演じている。俳優ではないが、ロカビリー歌手の石川進は長靴をはいた猫、鈴木やすしがながぐつ三銃士、コメディアンなべおさみは長靴をはいた猫・八十日間世界一周で、いずれも主役動物を演じた。無論、その流れに沿い、サイボーグ二作とも009は、当時飛ぶ鳥を落とす勢いの人気子役・太田博之という人が充てている。
いずれにしても、この作品(サイボーグ009・怪獣戦争)の唯一残念な点は、ヘレナの声だ😢






TVシリーズとはアレンジが違っているのを聴き比べしてみるのも面白い。
作曲(おそらく編曲も)は、小杉太一郎氏。あの、東宝特撮映画の中心的コンポーザー・伊福部昭氏のお弟子筋にあたる。だからだろう、管弦楽器の厚みが師匠譲りだ。
今風の打ち込みやAIボーカルとは、全然質が違う。
いっせ〜のぉ〜せっ!、で大勢の熱気がタクトを振る小杉太一郎氏に集中しているスタジオの様子が目に浮かぶ。
同録せいぜいテイク3くらいだろうか。
なんか、ジ〜ンと来ちゃいました💕😢










