……………いきなり!どうして?」
「うん。」
「やめてってここで泣いたら、やめてくれるの?遠く行くのなしにしてくれるの?⚡️」
「黙って行くと何度も決めたけど、くじけた。」
「もっとヒドっ!⚡️……最初からだったんだ。」


「……アナタ昔からずっとそう。いつだって。」
「JAMSTECからの誘いなんだ。僕の研究活動が岐路に立ってる。今、ちきゅう号に乗り損ねたくないんだよ。」
「北極、スバールバル諸島、グリーンランド、南極……もうこれで終わりって思ってた。」
「太平洋なんて狭い。日本の一部だよ。」
「フリーマントルのこと忘れたの?私を抱きながらアナタ、自分で言ったこと忘れたの?」


「海底に高圧ドリルで穴を開け、マントルにまで貫通させる実験工事なんだ。今までどこの国も失敗してる。でも次は、…………」
「自分の夢のことばっかり。」
「生きてく意味だよ。」
「ワタシだって生きてる。夢だってある……あった。」
「…………」
「けど……………もう、捨てる。」


「少しだけ待って。」
「そうやって……もうコレ以上ついてく自信ないよ。ダメだよ。ワタシが可哀想過ぎるよ。」
「女を泣かす野郎、サイテーか?」
「ワタシ、泣かないから。馬鹿みたいだし。」


「来月ちきゅう号試乗で、清水港に行く。基地母港なんだ。」
「私たちの育った街。」
「あぁ。」
「そうやって、自分のことだけ決めてく。先へ先へ。」
「………」
「どんどんアナタとの距離が離れてく。」
「………」
「なんで決心しないの?だからずっと補欠部員のまんまだって、今だに!」
「さよならって、ことか?相変わらず馬鹿ってか?」
「なんにも分かってない!」
「………」
「勝手なやつ……………いつもいつもいつも😿」


✦「海が聞こえる」(ジブリ)とJAMSTECホームページ写真の一部を転載させて頂いております。


補足 時々出てくる広告が怖いです。(下記)