昨日の能学塾にお出まし頂きました方々、本当にありがとうございました。曲の上演時間が長いのでその分講義も長くなってしまい、御覧になってる方々は大変なんじゃないかと思っていました。
さて、能学塾では毎回アンケートを採っていて、大抵の方々は昨日の記事に頂いたnao-c-uh 様のコメントの様に満足して頂いているようです。
ただ今回(昨日と18日)の講義で以下のようなご指摘を頂きました。
「某大学の能研究家の講義のようだった。」
「謡本を見れば、話の筋はわかる。せっかく舞台で講義をしているのだから実際の演技を見たかった。」
確かに、能楽塾の講義内容はテキストを読んで、その後にビデオを見て話の流れを掴む事に重点を置いて講義をしています。
どうしてこの様なスタイルになったかと言いますと、僕が大学で能楽の演出や歴史などの授業を履修していた時に、その先生の授業の進め方が上に書いたようなスタイルだったからです。
今の能学塾がすべてそのマネかというとそうではなく、動作の説明の時に実際の舞台の時に使う小道具を使って解説をしたりしてはいるんですがね…。
この2点のご指摘を自分なりに解釈しますと、「能役者による講義」が聞きたかったと言う事になるのでしょう。(多分)
普段、僕ら能役者はお客様と対話する機会がほとんど無いと言って過言ではありません。舞台当日は舞台と客席という隔たりがあって、交流どころかご挨拶も出来ません。唯一、自分の父のお弟子様とお話しする機会があるだけですが、それでも半年に一度開催するお弟子様の合同発表会でお会いするだけで、お話しできない時も多々あります。
普通の能の講義ならば、どこかの大学に聴講生として行けばいい事なんでしょう。そうではなくて能学塾での講義はおおざっぱな話、舞台と客席の架け橋となるように、お客様と対話し、能に対する理解や見解を共有していく場となる事が、能学塾の真の目的となるべきなのではないか?と思うようになりました。
毎度、長くなってすみません。
これからも能学塾はお客様のニーズに誠心誠意応えていくつもりですので、ご支援の程何卒宜しくお願い致します m(u_u)m