さてさて、大過なく済みました仕舞と謡。その後、渋谷観世能楽堂に程近いホテルにて先生と研修生の「懇親会」が催されました。
ホテルに着くと席を決めるためのクジを引きました。その番号のテーブルに着くわけです。僕の右隣は関西の大槻文蔵先生(初対面! (≧▽≦) )左は研修生の山中さん。そのテーブルには片山慶次郎先生、岡久広先生(岡先生は芸大時代の実技の先生でした)と数名の研修生と言う構成。そのような感じのテーブルが他に3つあり、勿論ご宗家、ご分家更に研修会の委員の先生方も供に参加されておりました。
お料理はバイキング形式でして、乾杯の後研修生は手分けして料理を取り分け、先生のいらっしゃるテーブルまでお持ちしました。。ここまでは芸大時代に培った反省会(宴会? ( ´艸`) )時の立ち居振る舞いでここまでは何とかクリア!しかし、問題はここから。先生方とどのようなお話しをしたらばよいか…。もちろん先生が怖いからとかじゃなくて、世間一般で特に初対面の目上の方にどう話を切り出したらよいかが難しいですよね。ここは芸大時代の恩師、岡先生に伺おうと懇親会開始7分青木健一の初アタック!!
それで自分のいるテーブルの流れが変わったのか、それまで沈黙が多かったその場が結構積極的な雰囲気に。岡先生とのお話の終了後、隣の大槻先生が上着の内ポケットからメモ書きをスッと出して、「キミの謡の前半が途切れすぎなんじゃないかな?」と。びっくりしました。と同時に嬉しかったですね。その後、大槻先生に初対面にも関わらず色々お話しを伺えてとても良かったです。
…というのもつかの間、他のテーブルにいらっしゃったご宗家清和先生が僕たちのテーブルにいらっしゃいました。楽屋での張り詰めた雰囲気と違って、何だかにこやかな感じ。今回のご感想を研修生本人に伝えていらっしゃってました。ちなみに僕は仕舞のある一つの所作のご注意と痩せているから袴を付けた時の身だしなみを注意するようにとお言葉を頂きました。
ご宗家と入れ替わりにご分家銕之丞先生がいらっしゃって、同じようにご感想をお話になられました。「キミは謡が好きそうだね~」「アナタのお爺さんには凄く優しくもらってね~」という感じで、いろいろなお話しを伺えました。(銕仙会と青木家は古い付き合いらしいんですって。そこら辺は父に聞いときますね。)
ところで、今のサッカー日本代表に足りないのは考えて動いて走ることらしいですが、今度は僕から動いて先生方のお話を伺おうと他の3つのテーブルを見回し、空き席(空きスペース?笑)を見つけて着席(この積極さは日本代表にあげたいね ≧(´▽`)≦ )。そこは今年3月の「青木一郎能の会」にご出勤していただいた武田宗和先生の隣り!父と宗和先生は中学時代の同級生で、今でも飲みに行く間柄。そんな訳でして、色々とお話しさせていただきました。
と、ここで中締めになってしまい、先生方や研修生も帰る…かと思いきや、一部の先生や研修生はその場に残ってお話しを再開。僕も帰るよりもっとお話しを聞きたいと思い残留しました。
残られたのは宗和先生や浅井先生他。皆さん適度にお酒も入って、色々な事を聞く事が出来ました。浅井先生(父と同い年で、僕の事を小さい頃からよくご存知の方)「健一!今日の仕舞は良くなかっただろ?この前見た歌占キリの仕舞の方がよっぽど良かったぞ!!」一見厳しい見方と思う方もいらっしゃるとは思いますが、自分にとっては「前の舞台の時も、今回の研修会の時も同じような厳しい眼で見て頂いたいるんだ」というありがたさを感じました。と同時に激励されているんだとも思ったんですけどね。
僕って、結構身の程知らずで、いろんな先生に突撃してっちゃうんですよ(笑)。でいろんなお話を伺って自分の足しにしちゃうっていうか。そういう所があるんです。今回の懇親会は自分にとってプラスになる事がたくさんあったと思います。今日の締めくくりは、その中でも特に自分に響いたある先生の言葉をご紹介したいと思います。
「いろんな先生が観世流にはいるでしょ。先生によっては同じ所を全く正反対に指導される方がいらっしゃるのも事実。でも、その根幹にあるモノは一つだと思うよ。その根幹にあるモノは自分の先生と過ごす時間が多い内弟子の頃に養われると思うんだよ。だから君も将来自分の基軸となるようなものを内弟子の時期に養いなさい。」
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青木健一