2025年9月15日
ここへ来て秋雨前線が北上したり南下したり
折角のシルバーウイークの前半は
山の天気は今一つでしたが
三連休最終日は傘マークが取れて
甲信南部は登山日和の予報となりました
という事で
今回登るのは奥秩父の名峰金峰山
ルートは古の道、御嶽古道から
この御嶽古道は近年歩く人もなく
放置され忘れられていた道でしたが
数年前に地元有志の方の手によって
新たに復活した道
甲斐国の御嶽信仰の信者たちも
歩いたであろうこの道を
今回は辿ってみました
何時ものように前夜に現地入り
甲府市から昇仙峡を辿って奥御岳林道へ
予定していた野猿谷林道は通行止めでした
長い長い林道を走行後
終点の登山者駐車場で車中泊
気温は19℃
過ごしやすい夜でした
翌朝、身支度をして
6:42
駐車場を出発
傍らの林道を暫し辿ると金峰山表登山口
古の道という事で
由緒ある登山口を想像していたのですが
そこは作業道の入り口でした
ちょっと拍子抜けの感は否めませんが
林業の盛んだった奥秩父
古の道も寸断されてこんな形に
姿を変えてしまったのかも知れません
その作業道はジグを切って緩々と上って行く
この地も鹿の生息地
野草の花は期待していなかったのですが
路傍には数少ない夏の花が残ってました
ま、どれも鹿の忌避植物ではあるのだけれど
緩々と作業道を登り切ると
樹林の中に気持ちの良い登山道が始まる
斜度も緩やかでこんな道が続けばと
思っていると
再び林道へと吐き出される
やはり林業の盛んだった奥秩父
かなりの奥山と思っていても
こんな林道が至る所に開削されているのだろう
その林道を暫し辿れば
「登山道→」の表示と共に
再び登山道へと導かれる
道は小沢に向かって緩々と下り
小さな流れに突き当たる
その上流側にはドラム缶や廃材の山
如何やら嘗ての造林小屋跡だろう
その小さな流れを渡って緩々と登り返す
8:28
左手に造林記念碑を見る
道は更にカラマツの植林地に続く
林床は背の低い笹原
視覚的にとても美しい道なのだが
朝露を纏っていて
濡れ防止にここでゲイターを装着
これで気兼ねなく美しい道を楽しめる
その笹原の道は小尾根を越えると
再び緩々と下りだして
9:14
きれいな小沢に辿り着く
そこは神子ノ沢の徒渉点
苔生す丸太橋を渡って
直ぐ上手の左岸の枝沢へと入り込む
枝沢から尾根へは僅かな距離の急登道
一頻り急坂に喘げば
道は傾斜を落として再び歩きやすい道に
9:43
水晶峠へと辿り着く
峠の先は急坂の下り道
幾度かのジグを切って下れば傾斜も落ちて
奥秩父らしい苔生す林床の道となる
其処かしこの瑞々しい緑の苔の絨毯が
優しい色合いで何とも美しい
そんな苔生す道はじきに涸れ沢へと導かれる
ここは御室川
岩がゴロゴロした沢の中に目印テープが続き
道らしからぬルート
目印が無ければとても登山道とは思えない
そんな沢中のルートを何とか切り抜けると
再び歩きやすい樹林の道
10:21
御室小屋跡地へと辿り着く
ここも先ほどの造林小屋同様に
解体されて廃材が積まれている
傍らにはウイスキーの瓶や朽ちかけた缶が
放置されていて
整然と並んだ基礎石がだけが
嘗ての小屋の形跡を今に残している
ここで休憩がてらエナジー補給
道はここから尾根へと上る急登道
シャクナゲの茂る道を息を切らし登って行けば
目の前にはこんなハシゴ段が現れる
道はいよいよこのルートの核心部
ハシゴ段を登りその先は
クサリの付けられた
嫌らしい一枚岩のトラバース
かなりの高度感で
おまけに岩の表面は濡れた状態
冷や冷やしながらも何とかクリアして
尾根道に乗る
この先も急登道は続く
更にハシゴ段を二つ登り上げて
11:31
奇妙なバランスの大岩の下を通過
何か名前がありそうだけれど何の表示もなし
更に険しい上りが続く
道はいよいよ岩々度が増してきて
辺りは何時しか樹木も背丈を落とす
上部を仰ぎ見れば
山頂の五丈石がガスの中に見え隠れ
稜線は近そうだ
だが、ここからが遠かった
ルートは大岩の積み重なるゴーロ帯
奥秩父は何度も訪れていて
金峰山も初めてではないのだが
秩父にこんな場所があったとは
まるで北アルプスの常念岳直下の登り
前常念からの尾根を彷彿とさせる
岩間に足を落とさぬよう注意を払いながら
慎重にゴーロ帯を上って行く
ルートには相変わらず目印テープが続いていて
分かり難いルートの案内をしてくれる
登山者の少ないこのルートは踏み跡も薄くて
この目印は本当に有難かった
そんなルートを何とか登り切って
ずっと見えていた五丈石の足元へ
やはりこの大きさは何度見ても圧倒される
もうすっかり登頂した気分だが
山頂はここから東へもう少し行った場所
岩ガレの歩きにくい道を辿って
13:29
金峰山の山頂へと辿り着く
予定より大幅に遅くなってしまったが
久しぶりに金峰山の頂きに立つ事が出来た
ここからの展望はお墨付きなのだが
今日は生憎ガスが纏わり付いて展望は無し
ここからの富士山や八ヶ岳の展望を
期待していたのだが残念だ
だいぶ時間も押しているので
ササッとエナジー補給を済ませて
往路を戻るとします
下りも難儀なゴーロ帯
より一層に慎重を期して下って行けば
何時しか稜線のガスは消えて青空が・・・
山あるあるですね~
道は基本的には尾根伝いですが
岩場を巻くこんな部分も
これが結構切れ落ちていて気が抜けない
14:57
大岩の下を通過して
クサリ場直前の露岩のピーク
五丈石が眺められるのもここが最後
稜線を仰ぎ見れば
ここは奇岩の続く尾根である事が分かる
15:23
そして問題のクサリ場部分
岩場の濡れは乾いていたけれど
やっぱり下りも怖かった
最大の難所を無事に通過すれば
もう危険箇所は無い
15:33
御室小屋跡まで下りてきて
往路同様にここでひと休みとする
後は歩きやすい樹林の道
16:12
水晶峠を通過して
16:55
造林記念碑を通過
まだ秋の彼岸前とは言え山の日没は早く
増してや針葉樹の森の中
少しずつ闇が支配し始めるのを感じると
自ずと歩調は速くなる
一旦、林道へ出ると明るさは復活するが
樹林の道に入れば元通り
おまけに霧も漂いだして
辺りは一層怪しい雰囲気になって・・・
こんな時に限って「山怪」を思い出して
どこかに人を化かす
魔物が潜んではいまいかと(笑)
結局何も起こらずに林道へと下り立って
17:41
車を置いた駐車場へと到着です
今回は古の道という事で
仏像や祠などがあるかと思っていましたが
特徴的な大岩の下に
文字の消えかけた石碑を見ただけでした
嘗ては他にも何かあったのか?
ちょっと興味をそそる山道でした