2025年8月15日
蒜山を下山後
倉吉市のせきがね湯命館で汗を流して
下道で兵庫県養父市の
氷ノ山登山口へ着いたのは20時頃
この移動に4時間ほど掛ってしまいました
この日は登山口のある
親水公園の駐車場で車中泊
気温は26℃と高めでしたが
そこそこに過ごしやすい夜でした
翌朝、身支度をして
6:28
駐車場を出発
トイレ前を通過して小道を上り
テント広場の向かい側が登山口でした
道は一旦杉木立の中へと入り
砂防堰堤の上部で河原の中の道となる
その道は直ぐに右岸側へと渡り
その沢沿いに上って行けば
6:46
布滝の観瀑橋
かなり大きな滝で
この離れた位置からでも見応えがある
道はここから谷を離れ急な斜面の尾根を登る
右に左にと九十九折れの道は
二十八曲りと名付けられた急登道
出だしから確りと汗を搾り取られ
今日もポカリの減りが早い
途中、左手に不動滝の観瀑ポイントがあるが
生憎樹々が茂っていて観る事は叶わない
”くの字滝“との異名もある滝で
曲瀑の姿を見てみたかったが残念だ
そんな九十九折れの道を登り切ると
尾根の斜面の中程を
緩やかにトラバースする道へと切り替わる
林相は広葉樹の森から杉の植林地へと変わり
ここで久しぶりにツチアケビに遭遇
蘭の仲間でこれは結実した状態ですが
これだけを見ると何とも奇妙な姿です
そこから僅かな距離で
7:34
地蔵堂へと辿り着く
お堂はトタン張りの簡素な造りだが
中はきれいに整えられ
仏像も良い状態に保たれていて
地元の方に大事に守られている事が伺える
この地蔵堂といえば
新田次郎著の“孤高の人”の中で
加藤文太郎が故郷の浜坂へ向かう折
降雪を避けて夜を明かした場所
確かにお堂の中はそこそこの広さがあり
身を休めるくらいの広さは充分にある
文太郎の故郷行きの行動は異例としても
昭和初期のまだ車道があまり整備されていない頃
この氷ノ山越の峠路は
この地域にとって重要な路だったのかも知れない
その緩やか道は程なくして小沢を渡り
急なハシゴ段を上ると
再び急な斜面の道に切り替わる
先ほどの二十八曲りほどではないが
こちらも中々の急登道
同じように右に左にジグをきり
高度を徐々に上げて行く
辺りは何時しか美しいブナ林の中
林床や幹肌に落ちる木漏れ日が美しい
そんな九十九折れの道も
再び緩やかなトラバース道へと切り替わり
8:38
一口水の水場へと辿り着く
もう稜線に近い高度だが
きれいな水が滾々と湧き出している
ここまで汗だくで登ってきたせいか
ここでその水をがぶ飲みすれば
冷たくて美味しい水に
すっかり生き返った気分になった
その水場からひと登り
8:48
氷ノ山越の峠へと辿り着く
傍らには古めかしい石の道標があり
多くの人が越えたであろう往時を偲ばせる
“孤高の人”の文太郎は
ここから雪の氷ノ山を往復して
陣鉢山へ向かっている
峠には避難小屋が立ち
その小屋前のベンチで一休み
エナジー補給をして
ここから稜線道を氷ノ山方面へと向かう
稜線道は緩やかに起伏を繰り返して
徐々に高度を上げて行く
途中にはこんなブナの原生林
先ほどの尾根道の若いブナ林とは趣が違う
どの樹もかなりの樹齢のようで
放つオーラにも力強いものを感じる
10:04
稜線上の小さなピークまでやって来た
視線の先には目指す氷ノ山の頂きが近付き
避難小屋も小さく見えてくる
残すは目の前の急登斜面のみ
だが、この辺りから樹々は背を落とし
陽射しが燦々と降り注ぐ
標高は1400mを超えたけれど
相変わらず気温は高いままだ
噴き出す汗を拭きながら黙々と登行を続けて
九十九折れの最後のカーブを曲がると
頂上の避難小屋が見えてくる
さあ、もうひと頑張りだ
直下の木段道を黙々と登れば
10:43
氷ノ山の頂上へと辿り着く
山頂はちょっとした広場になっていて
幾人もの登山者が休憩中
自分もここでひと休みとする
展望はイマイチ
空の状態があまり良くない事もあるが
だだっ広い山頂故に良好とは言えずだ
それにこの地の山に疎いので
眺めても分るのは
辿ってきた氷ノ山越と陣鉢山のみ
広域地図でも持ってきていれば良かったですね
山頂は風も日陰も無くてただ暑いばかり
早々に下山の途へと切り替える
その下山路は東尾根のルート
背の高い笹に囲まれた道を下って行く
下りだして直ぐのところに”古生沼“の標柱
だが、笹に覆われて踏み跡も見つけられず
西日本で唯一の高層湿原らしいのですが
眺めることも出来ませんでした
笹に覆われた道から杉木立の道へ
ここは”古千本杉“のエリア
巨樹と呼べそうな樹は見当たらないが
恐らく条件が悪くて大きく育てないのだろう
古木の雰囲気は充分に感じられる
11:32
神大ヒュッテまで下りてきた
ここも学生登山の盛んだった昭和初期に
建てられたのだろうか?と
興味をそそられるが
今はそれを知る術はない
ここの分岐点を東尾根方面へと下る
道は樹林帯の中に緩々と続いて
休み場の休憩ポイントの先は
更に緩やか道
気持ちの良い尾根道を下って行くと
ドウダンツツジの群生地
辺りを見回せば
確かにドウダンツツジの樹が幾本もある
ただ、赤城山辺りで見る群生とは
少し趣が違う印象だ
12:34
東尾根避難小屋まで下りてきた
ここのベンチで一休み
水分補給&エナジー補給をして
ここから杉林の中の九十九折れの道を下る
木陰の道だというのに少しも冷涼感がない
13:11
漸く東尾根登山口へと下りてきた
登山口はカンカン照りの陽射しの中
もはや平地と変わらぬ暑さだ
後は親水公園駐車場まで車道歩き
日向のアスファルト道の暑さはご存知の通り
この暑さの中を2㎞も歩くのかと想うと
気が滅入りそうになるが
そうは言ってもここは歩くしかないんです
覚悟を決めてスキー場内の道を歩き出す
燦々と照らす陽射しと
アスファルトからの照り返しに耐えて
黙々と歩いて行けば
ゲレンデの先は木陰の道でした
この木陰、幸いな事に全体の2/3程も続いて
思いの外、楽に歩く事が出来たのでした
14:33
車を置いた親水公園駐車場へと到着です
下山後は養父市の
とがやま温泉天女の湯で汗を流して
帰路へと就いたのでした
この日辺りからUターンラッシュの始まり
北近畿豊岡自動車道は
入口から渋滞で乗る事もままならず
諦めてR9号線で京都入りして
京丹波市から京都縦貫道へと
乗る事が出来たのでした
掛川の複雑なジャンクションを
何とか間違わずにクリアして
名神高速に乗れば後はお気楽クルージング
この日は伊吹PA止まり
のんびりと車中泊をして
翌早朝から再び高速クルージング
中央道岡谷ICで高速を降りて
後は勝手知ったる道
久しぶりに下仁田の“サンごはん”さんで
鴨汁うどんを頂いて
14時頃に自宅へと帰り着いたのでした
5日間の中国地方遠征
どの山も標高が低くて暑さに悩まされました
真夏に登る山ではありませんでしたね
折角の中国地方の名山なのに
もう少し涼しい季節に訪れれば
もっと良い印象が残ったのではないか?と
今はちょっと後悔しています