バリルートで登る赤城駒ヶ岳 | 気ままにアウトドア

気ままにアウトドア

気の向くままに四季折々
  自然の中を流離う

2025年2月15日

 

 

昨年暮れに登った赤城駒ヶ岳

山上から何気に見下ろした対峙する尾根に

一本の道らしきもの見つける

落葉した林床に積もった新雪は

嘗ての作業道を際立たせて

一本の白い筋として姿を現していたのだ

それに気付いてから

何時かはあの道を辿って山上に達してみたい

そんな想いが沸々と湧いてきて

登るならブッシュの煩わしさの無い積雪期

幸い今冬の山は積雪が多めに推移して

それを叶えるには誠に好条件

この週末、山は雪山日和の快天日となり

今回、満を持してその尾根を辿ってみました

 

 

 

 

除雪のされた県道70号を詰めると

利平茶屋森林公園へと辿り着く

この時期は冬季休業中なので

駐車場の除雪はされておらず

広めの除雪部分に車を停める

 

8:14

出だしからスノーシューを履いて車を出発

積雪はまだ20㎝ほどだが

直ぐに深くなる事を想定しての事だ

先ずは入り口の林道ゲート

何時もはここから

左側の尾根に這い上がるのだが

今回は右側の尾根を辿りたいが為に

そのまま林道を直進する

 

 

 

カーブを二つほど過ぎただろうか?

目的の尾根から落ちる小沢が取付き点

地図を見てここが良いだろうと

目星を付けていた場所だ

そこには鳥居沢の砂防堰堤があり

その上部で左岸側へと徒渉する

 

 

 

小沢は恐らく大石の点在する涸れ沢

ですが、積雪がいい具合にその隙間を埋めて

想定していたよりも楽に登る事が出来た

 

 

 

その小沢をある程度詰めてから

主尾根から派生する小尾根に乗ると

道型らしき雪面の窪みが現れる

恐らくこれが嘗ての作業道

そう思って

その道型らしき窪みを暫く辿ってみる

 

 

 

その窪みは積雪のため何度も見失うが

斜面の弱点を衝くように登って行けば

それらしき窪みが幾度も現れる

 

 

 

如何やらこれが

嘗ての作業道で間違いなさそうだ

ところが上るに連れて積雪が増えると

その道型らしき窪みを見出せなくなってきた

もうそんなルーファイではここらが限度か?

だが、林立する樹々の隙間が

まるで道があったが如くに

開いた空間が続いている事に気付く

なるほど、雪面ばかりを注意していたが

ヒントはこんな所にもあったとは

我ながらその気付きに独りほくそ笑む

 

 

 

小尾根を越えてから

延々と急な斜面のトラバースを続けてきたが

その斜面も次第に傾斜が緩みだして

10:42

漸く尾根上へと這い上がる事が出来た

そこには何とピンクの目印テープ

きっと物好きの誰かが

この尾根を辿る為に残したものだろう

(自分もその物好きの一人ですが(笑))

 

ここで休憩がてらエナジー補給

 

 

 

尾根上は風衝の為か雪は殆ど無く

短い笹が露わになっている

一見、登山道のように見えるのは

沢山生息する鹿たちが付けた獣道

これを辿れば労力も少なくて済む

これならチェーンスパイクでも充分と

足元を換装して

尾根上を辿って行く

 

 

 

だが、それは僅かな区間だけだった

サドル状の尾根は次第に傾斜が増してきて

雪は徐々に笹を覆い隠してしまう

こうなるとチェーンスパイクでは

とても太刀打ち出来ず

再びスノーシューの出番となる

 

 

 

そんな深さの増した雪の尾根を上って行くと

樹林の切れ間から袈裟丸山が見えてきた

 

 

 

そして反対側を見れば同じ赤城山域の

長七郎山と小地蔵岳が間近に見える

キツイ上りで雪面ばかり見つめてきたが

やはり展望が得られると気分もリフレッシュ

少しばかりの癒しに気力も戻って来た

 

 

 

だが、キツイ上りは終わった訳ではない

積雪は50㎝を超えただろうか?

スノーシューの浮力に助けられて

ラッセルの労力は軽減されているが

斜面を仰ぎ見れば

真っ新な雪面は何処までも続いている

 

 

 

幾度も立ち休みをとりながら

雪面を一歩一歩踏み上げると

再び樹林が切れて展望が得られる

今度は百名山の皇海山まで見えてきた

奥にチラっと見えるのは男体山?

因みに手前に見える尾根は

黒檜山へと突き上げる尾根

数年前のツツジの季節に辿った事がある

勿論、そこには道は無くバリルート

笹が深くてダニに悩まされた記憶が・・・

 

 

 

急な尾根は更に続き

傾斜を緩める事を知らぬかのよう

いったいこの尾根はどこまで上るのだ?

GPSを見れば

そんな事は一目瞭然なのだけれど

自身の感覚をフル動員して

進路を見極めるのも

未踏ルートを辿る事の楽しみだ

 

 

 

大きく深呼吸をして乱れた息を調える

登って来た尾根を振り返れば

自身の付けたトレースが

樹林の隙間に続いていて

 

 

 

これから向かう

何の代わり映えも無い雪面には

時折アニマルトラックが出現する

これはキツネの足跡かな?

まるで道案内でもするかのように

目指す尾根上部へと続いている

 

 

 

それに導かれるように高度を上げて行けば

右手に赤城山の主峰

黒檜山が見えてくる

もうここまで来れば山頂はもう少しだ

 

 

 

急斜面だった尾根は徐々に傾斜を落として

樹林が疎らになってきた

ここは風が強いところなのか?

雪面が削り取られて

幾つものシュカブラが見て取れる

勿論、雪面はウインドパック

硬さが増してだいぶ歩き易くなってきた

そんな雪面の先に

登山者の姿がチラリと見えると

もうそこは山頂部の一角

キツイ上りも終わりを告げて

 

12:58

駒ヶ岳山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂には多くの登山者たち

ここまで誰にも遭わなかったが

いきなり人混みに放り込まれたようで

ここは別世界のように思えた

それもその筈

皆さん今日の快天日を待って

やって来たのだろう

人気の赤城山縦走路

この日はひときわ盛況だった

 

山頂から辿ってきた尾根を見下ろせば

遥か下方に利平茶屋の駐車場が見て取れる

昨年暮れに見つけた一筋の線は

この雪では跡形もなく消え去っていた

 

 

 

ここで遅めのランチ休憩をとって

何時もの展望写真を撮る

南方には遠く秩父山地の向こうに富士山

 

 

 

そして何時もの上越国境稜線

北方は本当に空気が澄んでいて

今日は格別の眺めだった

 

 

 

西方を見れば靄の掛かりだした浅間山

近付く南岸低気圧の影響だろう

 

 

 

そして大沼(おの)を見下ろせば

真っ白な雪面に幾つものテント

ワカサギ釣りの人たちのものだ

 

 

 

さて、だいぶ時間が押してきました

ここからは何時もの縦走ルートで下山の途へ

足元はアイゼンへと換装して

良く踏まれたトレースを辿って行く

 

 

 

13:39

大洞への分岐点を通過して

鳥居峠方面へと下る

やはりこちらは辿る人が少ないせいか

トレースはグッと細くなる

 

 

 

13:57

利平茶屋との分岐を通過

今日は流石に利平茶屋からのトレースは無し

ここは無難な鳥居峠方面へと下る

 

 

 

そして篭山の巻道

厄介なゴーロ帯は

隙間を積雪が埋めて歩き易くなっていた

 

 

 

14:11

鳥居峠へと下りて

お決まりのように覚満淵を眺める

 

 

 

そしてそこから

東側のケーブル跡への下降点へ

見下ろせば一人分のトレース

今朝、利平茶屋で見た車の主だろうか?

 

 

 

かなりの急傾斜のケーブル跡を下って

14:30

御神水との分岐点

ここを利平茶屋方面へと下って行く

 

 

 

後は緩々と登山道を下るのみ

付けられた心許ないトレースは

着実に高度を落とし

 

 

 

程なくして沢音とともに

利平茶屋森林公園のキャンプ施設が現れて

 

15:14

無事に車へと到着です

 

 

 

今回辿った尾根の取付き点

自分なりに検討を付けて取付きましたが

もっと楽に取り付ける場所がありそうです

作業道も今回は雪が深すぎて

忠実に辿れたかは定かでは無し

ツツジの頃に再度辿ってみようかと

今はそんな想いです