権現岳周回(その一) | 気ままにアウトドア

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2024年7月19日

 

 

関東甲信の梅雨明け宣言がなされた翌日

南八ヶ岳の権現岳を訪れてみました

権現岳は三度目となりますが

南側の観音平からは自身未踏のルート

ネット上では沢山の記録が散見できますが

極力情報は入れずに

真っ新な気持ちで辿ってみました

 

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

観音平の登山者駐車場で車中泊

ここの標高は1560mほど

車の外気温計は20℃を表示

この日は快適な夜を過ごす事が出来ました

 

翌朝、身支度をして

5:11

駐車場を出発

 

 

 

先ずは編笠山へ向けて

緩々と登山道を辿って行く

 

 

 

辺りはカラマツの植林地

明るく開放的に頭上空間が保たれて

林床は一面の笹に覆われる

一見、単一な植物に覆われた景色は美しいが

この地も鹿の食害は深刻なのだろう

他の植物を見つける事は難しいが

道端にポツリポツリと小さな

トリアシショウマの花を見る事が出来る

 

 

 

6:06

雲海の展望台に辿り着く

とは言ってもそれは過去の事?

ベンチが据えられてはいるが

樹木が育って展望は無い

左手から屛風山の道を合わせると

尾根道となり徐々に斜度を増す

先程から僅かばかり姿を見せていた

トリアシショウマだったが

入れ替わるようにオダマキへとバトンタッチ

 

 

 

道は更に斜度を増して

何時しか大岩の連なるゴーロ道に

林相はシラビソの天然林

いよいよ火山らしい雰囲気になってきた

火山?

と思う方も多いだろうが

八ヶ岳一帯は大昔の火山地帯

至る所にその痕跡が残っていて

このゴーロ帯も火山活動によって

出来上がったもの

噴煙を上げる山ばかりが火山ではないのだ

 

 

 

7:10

押手川分岐を通過する

相変わらず大岩の連なるゴーロ道

 

 

 

それを覆うように

林床は苔の絨毯に覆われる

八ヶ岳らしい苔の森

美しくて神秘的だが

まだ若い火山では表土は薄く貧栄養土

落ち葉や苔が表土を積み重ねて

豊かな森へと成長して行くのだろう

 

 

 

両手を使って大きな段差を乗り越えて

狭い岩間をすり抜ける

傾斜を増したゴーロ帯は意外に手強い

高まった呼吸を調えるべく立ち休み

傍らに咲くシャクナゲの花が

いい具合に癒してくれる

 

 

 

登るにつれてシラビソの森は背丈を落とす

頭上が開けた背後には

雲海越しに南アルプスが見える

日差しがなくて暑さを凌げるのは良いけれど

展望は期待薄かも?

 

 

 

一本の鉄梯子をよじ登ると山頂は近い

シラビソの森はハイマツ帯へと

グラデーションのように切り替わる

そんな林床には

柔らかなピンクのタカネバラが咲く

これを見るのは何年ぶりだろうか?

良い時期に来れた事に嬉しくなる

 

 

 

ハイマツは更に背丈を落として

文字通り地を這うようになって

辺りは開けた頂稜部

オトギリソウやウスユキソウが

其処かしこに群れ咲いて

今が見頃の咲き具合

頂稜部は見事なお花畑と化してました

 

 

 

8:58

編笠山の山頂へと辿り着く

今日は平日という事もあり

山頂には一人の登山者がいただけ

やはり静かな頂きは気分が良い

 

 

 

さて、何時もの展望写真をば

梅雨が明けたとはいえ今日は生憎の曇り空

上層と低層の雲に挟まれて

クッキリとしない山並みが見えるだけ

それでもここは2500m超えの頂き

中々の見応えがありました

では、東側から時計回りで

 

 

 

最後の写真

北側の南八ヶ岳の眺めは中々のもの

三角の峰々が行儀よく並んで

雪を纏った景色も見てみたいと思う景色

来冬は是非とも編笠山に登らねばです

 

一通り展望写真を撮って

青年小屋方面へと下りだす

ハイマツが徐々に背丈を増して

視界を妨げるころ

眼下に青い屋根の青年小屋が見えてくる

 

 

 

道は大きめの岩ゴロ道

膝への負担を気遣って

大きめの段差を丁寧に下りる

ハイマツの根元にはゴゼンタチバナ

江戸時代の武将の紋章にもある花だが

この花は世界各地で見られる事を最近知った

きっと日本列島が大陸と地続きだった頃に

やって来たのだろう

 

 

 

ハイマツ帯の道は

突然開けたゴーロ帯へと吐き出される

その際にはセリ科の花ミヤマゼンコ

早いものは既に実を結び始めて

短い山の夏が足早に過ぎて行く事を

知らせているかのよう

 

 

 

大岩の連なるゴーロ帯

目印に従って岩間を慎重に渡って行き

 

 

 

9:36

青年小屋へと辿り着く

玄関先には赤ちょうちんが下がり

登山者たちには「遠い飲み屋」と称されるが

今回は外ベンチでの休憩のみ

何時か機会があれば

泊まってみたいと思う山小屋ですね

 

 

 

そんな小屋の周りにはクルマユリの群生が

たぶん小屋での保護が効を奏して

見事な群生を形作っているのでしょう

 

 

 

そんなクルマユリを眺めながら

エナジー補給を済ませて

いよいよ権現岳への登りへと取り掛かる

辺りは小振りのシラビソの森

その中に緩々と登山道が続いている

 

 

 

(その二)へ続く