赤城鍋割山に菫を訪ねて | 気ままにアウトドア

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2024年4月20日

 

 

毎年恒例にしている赤城山のスミレ探訪

今年も昨年同様に鍋割山とその山麓を

ぐるりと周回してきました

 

 

 

 

9:09

赤城山南面の鍋割高原登山口を出発

 

 

 

その登山口案内表示の根元に

早速お目当てのスミレを見つける

細く切れ込んだ葉っぱのヒゴスミレだ

株は更新しているようだが

毎年ここに咲いていてくれる

 

 

 

そこから登山道沿いにぽつりぽつりと

ニオイタチツボスミレが姿を見せる

名前通りほんのりと良い香りがあるというが

残念ながら自身は鼻が悪くて

その香りを確かめられない

ただ、この締った紫と白の組み合わせの花が

自身はお気に入り

好きなスミレの一つでもある

 

 

 

ここまで登山口から100mほど

出だしから沢山のスミレに出迎えられて

中々の滑り出し

道は桜の植栽地を通り

ジグを切って急斜面を登りだす

 

 

 

その斜面にはアケボノスミレ

葉っぱを出すより先に

花を咲かせるという特徴がある

なので、枯れ落ち葉から

すうっと花が一輪飛び出していて

見付けた時は嬉しいものでもある

 

 

 

その同じ斜面には

小振りのスミレのアカネスミレもあった

 

 

 

更にそのすぐ隣にはツクバキンモンソウ

斑入りの葉っぱが可愛らしいですね

 

 

 

ジグを切る道は一部岩場の部分も交える

その岩場の根元にはフモトスミレ

こちらも斑入りの葉っぱのタイプ

赤城山では斑入りのものが半々くらい

率としては多いのかもしれません

 

 

 

岩場部分を二箇所通過すると

スミレの花は蕾へと後退

気候がチョット厳しいのか

辺りは笹原の斜面に切り替わる

その笹原にぽつぽつと生える灌木のツツジ

枝先を見ると花芽はだいぶ少なめ

昨年はツツジの当たり年だったので

養分を使い果たしてしまったのでしょう

今年はその分花芽の数は控えめのよう

 

 

 

笹原から再び樹林帯へと切り替わる

芽吹き前の樹冠を透かして

春の日差しが降り注ぐ

そんな林床に一株だけ

花を開いたエイザンスミレを見つける

そこだけは条件が良いのでしょう

他にもエイザンスミレの株を見るものの

どれも蕾を伸ばし始めたばかり

 

 

 

ニオイタチツボスミレも同様に

咲いているのはごく僅か

小振りになり背丈を低くして

多くは蕾のものばかりとなった

 

 

 

道は風当りの強い西側斜面へと回り込み

岩ガレ道に切り替わる

スミレたちも寒いのだろう

どの株も漸く葉っぱを開き始めたばかり

もうここから上部には

花は期待できそうにない

 

 

 

そんな岩ガレ道を登り上げると

穏やかな平地に躍り出る

不思議なことに風も止んで

春の日差しが燦々

ふと足元を見ると

小さなフデリンドウが数株

青い花を開き出してました

 

 

 

道は穏やかな平地から

再び笹原の斜面へと切り替わる

もうここは山頂直下

 

 

 

振り返れば今し方通過した平地の向こうに

赤城山の裾野が広がる

条件が良ければ

遠く富士山まで望めるのだが

今日は黄砂の影響で視程は短め

間近な前橋市もぼんやりと見えるだけだ

 

 

 

11:24

鍋割山の山頂へと登り上げる

相変わらずここは人気の休憩スポット

其処かしこに登山者たちが

憩いの時を楽しんでいる

 

 

 

山頂から先は稜線道

緩くアップダウンを繰り返して

徐々に高度を上げて行き

11:42

竃山(かまどやま)まで来ると

赤城山中心部の峰が見えてくる

北の方が空気が幾分澄んでいるのか?

武尊山が薄っすらと見える

 

 

 

更に稜線道を辿り

本日の最高点、火起山を通過すれば

道は緩やかに下降を始める

12:00

荒山高原まで下りてきた

何時もはここも登山者たちで賑わうのだが

今日は珍しく休憩する者もいない

静けさを好む者としては

願ったり叶ったり

ここで独りランチ休憩とする

 

 

 

荒山高原から箕輪方面へと下る

ゴツゴツガレ場の荒山風穴まで下りると

ヒメイチゲが咲き出していた

とっても小さくて可愛い花は

毎年ここで楽しませてくれる

 

 

 

そしてもう一種

灌木のアラゲヒョウタンボクも

ここ荒山風穴の住人だ

 

 

 

更に下って分岐点を”木の家“方面へ

道すがら見上げる樹上には

玉のようなヤドリギが幾つも見られて

気の早いオオカメノキが

白い花を開き出している

 

 

 

12:51

”もりのかけはし“歩道橋を渡り

林道へと下り立つ

ここからは舗装された車道歩き

硬いアスファルト道は好まないが

路傍に咲くスミレたちが

嫌な気分を忘れさせてくれる

 

この辺り、時期的な事もあるのだが

殆どがヒナスミレ

多くは地べたに這うように咲いていて

それをカメラに収めるのもまた一苦労だ

 

 

 

そしてこの種にも斑入りのものを見る

フモトスミレもそうだったが

赤城山には斑入りのものが多い気がする

 

 

 

林道を緩々と下って行くと

ヒナスミレばかりだった路傍に

タチツボスミレも混じりだす

至る所で目にするスミレだが

見飽きる事はない

 

 

 

更に下って行くと

ヒナスミレは姿を消して

エイザンスミレが主役に躍り出る

こちらはチョット大振りのスミレ

見た目にも華やかさがある

先ほどの鍋割山中腹で見たものは

もう少し赤紫色が強かったが

ここでは白みが強い株ばかりだ

 

 

 

そんな中に

ほぼ真っ白な花を咲かせる株を見つける

ここまで白ければ

シロバナエゾスミレと言ってもいいでしょう

(エイザンスミレの白花品を言う)

 

 

 

その白い花の流れで

グラデーションのように

徐々にマルバスミレが混じりだせば

ゴール地点は間近な距離

 

 

 

そして最後の最後に

「スミレばかりじゃないんだよ」と

言わんばかりに

ムラサキケマンが菫探訪を締めくくって

 

 

 

14:36

鍋割高原登山口へと到着です

 

毎年この時期に

菫探訪に訪れている鍋割山

今年は9種のスミレを見る事が出来ました

 

そして下山後の帰り道

折角、赤城山麓まで来たのですから

桐生市新里のサクラソウ公園へと

立ち寄ってみました

花はちょうど見頃の咲き具合

タイミングが良かったようです

 

 

 

このサクラソウ公園から少し上った所には

サクラソウ自生地があるのですが

この公園ですっかり満足して

帰路へと就いたのでした