両神山 | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2024年3月10日

 

 

暖冬気味だった2月から3月に入ると

平年並みの寒さが戻って来た

この日も天気図は冬型の気圧配置で

脊梁山脈には雪雲がかかり

太平洋側では日差しが燦々

という事で

今回は脊梁山脈から外れた秩父の山へ

一昨日の南岸低気圧の通過による

山間部の雪にも期待しつつ

久しぶりに両神山を訪れてみました

 

 

 

 

 

 

埼玉県在住の自身にとっても

秩父は意外にも遠いところ

なので今回も前夜に現地入り

小鹿野町の道の駅で車中泊

翌朝、車を30分ほど走らせて

日向大谷の両神山登山口駐車場へ

懸念していた路面凍結も無く

移動はスムーズ

気温は-4℃

そこそこに冷えた朝でした

 

身支度をして

6:23

駐車場を出発

登山口まで暫しの舗装路歩き

キンと冷えた空気が

気持ちを引き締めてくれる

 

 

 

登山口の急な階段を登ると両神山荘

そこから登山道が始まる

道は奥秩父によく見られる

急斜面の耕作地を抜けて山林へ入ると

程なくして両神神社の鳥居が現れる

 

 

 

この登山道、本を糺せば両神神社の参拝道

山上に祀られている両神神社本社へと

古の時より人々が辿って来た道だ

鳥居を潜ると道は尾根の南側斜面を

トラバースするように続いている

歩き出しはキンと冷えた空気の中だったが

ここへ来て

漸く当たりだした朝日の温もりが心地良い

 

 

 

だがそんな日差しの道も長くは続かない

きれいに枝打ちされた杉林へ入ると

日差しも遮られて

再びキンと冷えた空気に覆われる

右手に七滝沢コースを分けて

(現在は通行止め)

左手にベンチのある小さな広場を見る

ここは会所

嘗ては両神神社の氏子たちが集う

建物でもあったのでしょうか?

地名からそんな妄想も膨らむ

7:08

七滝沢を丸木橋で渡ると

 

 

 

再び日の差す尾根の南斜面

急斜面に付けられた

緩やか勾配のトラバース道を

快適に辿って行けば

日の差さない薄川の川床へと下りて

対岸へと道が続く

当然、対岸は北側斜面

一昨日の雪が確りと残っている

ここでチェーンスパイクを装着

序にエナジー補給も済ませる

道は相変わらず急斜面のトラバース

雪が加わった分危険度も増して

気の抜けない道になってきた

 

 

 

道は幾度か徒渉を繰り返すが

南側斜面に移っても雪は消えなくなった

標高が上がった分積雪量も増したせい?

辺りが岩々しくなってくると

そこは八海山

不動明王像を左手に見て斜面を登ると

 

 

 

弘法清水の前へと辿り着く

冷たく清らかな水が滴り落ちて

このルートの貴重な水場となっている

 

 

 

9:24

清滝小屋までやって来た

大分年季の入った小屋だが

中はきれいに整えられていて

ここで暫しの少休憩をとる

 

 

 

小屋の先は鈴ヶ坂

斜面にジグを切って登って行く

右手に七滝沢コースを分けて

更にジグを切りながら登って行けば

程なくして尾根上の道に切り替わる

ここは産泰尾根

このルートの核心部だ

幾本ものクサリ場があり

今は雪と岩のミックス状態

無雪期より難易度は高い

慎重に足場を確かめながら

一歩一歩を確実に進めて行く

 

 

 

ですが、唯一気の抜ける場所がある

単管パイプと鉄階段

ここはチョット安心できる

 

 

 

そんな核心部を登り上げると

10:49

両神神社へと辿り着く

 

 

 

鳥居を潜ると直ぐに一対の狛犬

秩父地方の狛犬はニホンオオカミ

山犬様と称し熱く信仰されている

 

 

 

そして両神神社のすぐ隣には御嶽神社

こちらの狛犬は当に狼の姿をした像があり

 

 

 

軒下には素晴らしい彫りの

迫力の龍がいる

寂れて朽ちかけてはいるが

中々の芸術作品である事に違いない

 

 

 

そんな二つの神社を過ぎれば

緩やか稜線道へと切り替わり

積雪は30㎝ほどまで増してきた

以前(2018年2月)に訪れた時は

これほどまでの雪は無かったので

もっと楽に歩けたような記憶がある

冬の秩父の山はそんな状態が常で

雪山のイメージは薄いのだけれど

でも今回はこんな状態を期待して

やって来たのだから

思惑通り願ったり叶ったりだ

 

緩やかだった道は再び傾斜を増して

小さな岩場が幾つか現れる

雪付きでチョット嫌らしいが

慎重にクリアすれば

11:34

無事に両神山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂に人影は無し

もう幾度もここを訪れているが

こんな静かな山頂は初めてだ

ここは標高1723m

まだ樹林が優勢で

360°の大展望とは行かないが

奥秩父の主稜線を眺めるには

最高の場所かも知れないと

独り展望を楽しんでみる

写真は東側から時計回りに北側まで

北東側の関東平野は樹木の陰だった

 

 

 

展望を一頻り楽しんで山頂を後にする

稜線で唯一のベンチで軽めにランチを摂り

後は緩っと稜線道を引き返す

 

 

 

12:31

両神神社で山犬様に

もう一度ご挨拶をして

 

 

 

急勾配の坂道を下る

 

 

 

嫌らしいクサリ場も

無事にクリアすれば

程なくして鈴ヶ坂の九十九折道

 

 

 

清滝小屋 八海山と順調に通過して

雪の消える薄川の最後の徒渉点

ここでチェーンスパイクを外せば

後は陽だまりの

緩やかトラバース道

西に傾いた日差しを背に受けて

落ち葉の道を緩々と辿るのみ

両神神社の下の鳥居を潜り

斜面の耕作地へ来ると

何か視線を感じる

見ると一頭のカモシカが

こちらをジッと見つめている

人馴れしているのだろうか?

全然逃げようともせず

まるで「お久しぶり」とでも

言いたげだった

なので、こちらも「またねー!」と

声を掛けると

首をかしげて見つめ返す

やっぱりカモシカは不思議な生き物だ

 

 

 

耕作地から山荘前を通過すれば

日向大谷の登山口

後は車道をテクテク下って

15:20

登山者駐車場へと到着です

 

 

 

 

雪の両神山

期待通りでした

暖冬気味の今冬ですが

ここへ来て雪の量も増し気味

今年はもう少し雪山が楽しめそうです