御座山 | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2023年10月22日

 

 

前日に前線が通過して

脊梁山脈では積雪が観測された翌日

緩やかに高気圧に覆われて

格好の登山日和となったこの日

長野県の御座山へと登ってきました

北側の長者の森コース

南側の栗生コースは

以前に辿った事のあるルート

なので今回は残る山口コースを

辿ってみました

 

 

 

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

北相木村の山口地区から林道を詰めて

大やち川の橋手前の駐車場で車中泊

この時点で気温は2℃でしたが

翌朝になると5℃まで上がってました

南寄りの風が入り込む予報は

当たったようです

 

6:06

駐車場を出発

歩き出しは伐採地の作業道

前日の雨で少し泥濘気味

そんな道を暫く歩いて気が付いた

如何やら道が違うようだ

登山地図では大やち川に沿って

登るように見えるが

GPSで詳しく見ると

大やち川のひとつ東側の小沢沿いに

道がある

5万図には表れない小沢だった

伐採作業道を東へ向かい

ルート修正を試みる

 

 

 

だが、その作業道は途中で終わってしまう

仕方なく終点から道の無い斜面を登る

幸いな事に下草類は無く

藪を漕ぐという事も無し

小尾根に乗ると古い作業道に出た

如何やらここが登山ルートのよう

取り敢えずルート修正完了

その作業道を辿って行く

 

 

 

6:49

古い文字の消えかけた標示板が現れて

そこが作業道から登山道への分岐点

ここから薄い道型を辿る

 

 

 

道型は落ち葉に覆われて

人が歩いた形跡は見出せない

随分とこの道は使われて無いのでしょうか?

路傍の石や倒木には緑濃い苔が繁茂して

色付き出した樹々がイイ感じ

 

 

 

ですが、そんな景色に見惚れていると

あっと言う間に道型を見失う

注意深く林床を見つめて道型を見定める

それはとても根気のいる作業

だがしかし、それもまた楽しである

所々に現れる小さなケルンや目印テープ

文字の消えかけた道標が現れると

安堵と共にルーファイの確かさを実感

中々やるじゃないかと

独り自分を褒めてしまう

 

 

 

そんな気難しい道を探りながら

高度を上げて行く

 

 

 

無名の小沢沿いには

色付き出した樹々

 

 

 

そして林床には

ここも鹿が多く生息しているのだろう

残っている下草は

シダやトリカブト等の忌避植物

 

 

 

更に道なき道を辿って行けば

甘い香りのする一角を通過する

その香りを分かり易く表現するならば

まるでカラメルの香り

見るとそこには大きなカツラの木

黄色く染まった落ち葉が

林床いっぱいに広がっている

 

 

 

小沢沿いだった道は

何時しか傾斜を増して

コメツガとシラビソの森へ

道は相変わらず不明瞭

林床にばかり視線を集中して登って来たが

気づくと上部斜面一帯に日差しが見える

このルートはずっと北西斜面の中

朝から一度も日差しを見る事もなく

ここまで登って来たが

ここで漸く明るい陽の光を見た

よく見るとそこは稜線鞍部

倒木を潜り抜けて

枯れた下草をかき分けて登り上げれば

9:25

稜線の”南の鞍部“へと到着です

 

 

 

鞍部には北相木村への道を示す標示板

ですが

鞍部からそちらへ辿る道型は見出せず

自分はここを登って来たから

その存在が分かるようなもので

稜線道を辿ってきて

いきなりこの標示板を見せられても

この道型も見えない状態では

信じ難いものにしか思えません

 

鞍部からは良く踏まれた普通の登山道

木漏れ日の刺す斜面を登って行けば

程なくして御座山の避難小屋

 

 

 

その避難小屋を右手に見送って

樹林を抜け出すと

開けた岩稜部に辿り着く

そこはもう御座山の山頂部

危うい岩場を僅かに辿ると

御座山の頂標が見えてくる

9:45

御座山の山頂へと到着です

 

 

 

山頂からは360°の大展望

四周の名だたる山が望める

 

では、何時もの展望写真

今回は東側から反時計回りで

載せてみます

先ずはその東側

両神山の左側には筑波山も

見えていたのだけれど

写真には写らず

 

 

 

北側には浅間連峰が見えて

更にその左側には薄ぼんやりと頸城山塊

そして、白く雪を纏っているのは北アルプス

 

 

 

西側には八ヶ岳連峰があり

 

 

 

更に視線を左に移せば

南アルプスの峰々が見えてくる

 

 

 

締めの南方には奥秩父

人気の瑞牆山は小川山の向こう側

見えそうで見えていない

 

 

 

山頂に吹く風は南風でしたが

この日の気温は低め

風の避けられる場所には先客がいて・・・

という事で名残惜しいですが

山頂を後にする事とします

 

この日のコース取りはピストン

往路を忠実に戻ります

稜線道の日陰部分には今季お初の霜柱

 

 

 

そして落ち葉には

まだ白く霜が残ってて

今朝の冷え込み具合が見て取れる

 

 

 

10:13

南の鞍部から

再び不明瞭な道へドロップ

枯れ草部分から倒木を潜れば

消えかけた道型が見えてくる

 

 

 

往きにシダの葉を折って

マーキングしながら辿って来たので

復路では道型を見出すのもスムーズ

 

 

 

こんな風に苔に覆われた部分でも

道型を見出す事が可能となった

目が慣れたのか?

脳が学習したのか?

あんなに難解だった道型が

もはやゲーム感覚で見えてくる

 

 

道はやがて古い作業道へと出ると

もう難しいルーファイからは開放される

辺りはカラマツの植林地

黄金色の黄葉にはまだ早いが

その中に若いトチの木が一本

こちらは見事な黄葉を

見せてくれてました

 

 

 

そんな作業道を緩々と辿って行けば

 

 

 

伐採木の集積場を通過して

12:31

大やち川の橋の袂にある

小さな駐車場へと到着です

 

 

御座山へ至る三本のルートを辿ってみて

今回辿った山口コースが

一番穏やかな道という印象

危険箇所もなく急登部分も僅か

ただ、ルートの殆どが不明瞭部分

このまま放っておけば廃道化は明らか

どうか北相木村さん

道の手入れをしてくれると有り難いのですが

そう思った今回の山旅でした

 

 

 

*** おまけ ***

 

帰り道、R254の内山トンネルを抜けたら

西日を受けて荒船山の艫岩が

紅葉の中に聳え立ってました

ちょっと美しい光景

皆さんにもお裾分けです