浅草岳(その二) | 気ままにアウトドア

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2023年3月29日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

(その一)はこちらからどうぞ

 
 
 
 
 
 
ネズモチ平からオリジナルの
バリエーションルートを辿って
12:25
何とか桜ゾネの尾根に登り上げると
今日初めての南側の展望が得られる
浅草岳から続く波打つ尾根の先には
鬼ヶ面山が見えて
その向こうには
奥只見の山々が峰を並べる
 
 
 
さあ、ここからは山頂まで
緩やかに尾根を辿るのみだ
先ずは目先の嘉平与ボッチへ歩みだす
だが、近付くとそこは岩が露出した頂き
どのトレースも右側の雪斜面を巻いて
ピークは踏まずに通過しているようだ
アイゼンでは歩き難い岩場の通過
自分もそれに倣って嘉平与ボッチはパス
巻道から再び尾根に戻ると
緩やかにカーブを描く尾根の先に
前岳が姿を現す
 
 
 
ザクザク ザクザク
春の日差しに緩みだした雪を踏んで
12:56
前岳まで登り上げる
すると前方には漸く浅草岳が姿を現す
 
 
 
もう一息だな
そう独り言を吐いて
緩やかに尾根を辿れば
右手には鬼ヶ面山の大岩壁が姿を現す
そしてその向こうには
昨日目指した毛猛山の姿も見つけてしまう
深くて遠い会越国境の山々
感慨深さは一入なのです
 
 
 
前岳から緩やかに尾根を辿り
鞍部へと向かうと
北西の風が吹き出した
前岳では無風状態だったのに
ここではかなりの強さの風が吹き抜ける
やはりこれも地形の妙か?
山ではこうした風の通り道が随所にある
そんな鞍部から山頂へは
背の低い樹林の中を登る
樹種の多くはミネカエデ
紅葉の時期には良さそう等と思いながら
樹々の間を縫って登って行けば
 
13:11
浅草岳の山頂へと辿り着く
 
 
 
やはりここも強い北西からの風の只中
ここまでインナー一枚で過ごしてきたけれど
堪らずにフリースを羽織ってひと心地
 
で、ここでも何時もの展望写真を
春霞なのでしょうか?
あまり遠望が利かない条件ですが
田子倉湖を眼下に見下ろせる
南東方向から時計回りで
 
 
さて、時刻は13時を回って押しているし
風も冷たいので
山頂時間はこのくらいにして
往路を戻るとします
 
山頂から鞍部を通って前岳までは
相変わらずの風の中
しかし前岳まで来ると途端に風が収まる
やっぱり山頂付近は風の通り道だったのだ
 
前岳からは正面に嘉平与ボッチを見据えて
緩やか尾根の下り道
 
 
 
復路でも嘉平与ボッチは左側から巻いて
標高1440m付近まで下りてきた
ここから夏道の通る桜ゾネの尾根は
右へと下って行くが
トレースは正面の広尾根を下ってる
地図を見ると
如何やら桜ゾネは枝尾根で
主尾根はこちらの広尾根のよう
冬期ルートとしては
この緩やかな尾根の方が登りやすく
BCで下るにも滑りやすいのかも知れない
正面に守門岳を見ながら
その広尾根を緩々と下って行く
 
 
 
やがて広尾根は高度を落として
ブナの樹の美しい樹林の中へと入り込む
すると何気に見上げたブナの樹の梢に
一羽の気になる野鳥を見つける
カメラを覗き引き寄せてみると
冠羽の形からレンジャクである事が分かる
何時かは見てみたいと思っていたものが
思いもかけずこんな所で出逢えるとは
予期せぬ出逢いは取分け嬉しいものです
 
(120㎜で撮影トリミング加工済です)
 
 
更に下ると
目の前に大きなクラックが現れる
ここまで広がると
最早大きな溝としか思えない
こんな光景も豪雪地ならでは
 
 
 
そして下って来た尾根を振り返って
長い長い尾根故に
頂きは見えなくなってしまったけれど
青い空が何とも心地いい
 
 
 
標高890m付近まで下りてきた
今日は幾度となく眺めてきた守門岳と
とっても気になる黒姫の頂き
如何やらここら辺りが見納めのよう
 
 
 
そこから樹林の中の急峻な尾根を下ると
杉林の中へと入って行く
トレースは迷路の如く曲がりくねって
辿るのには神経を使うが
程なくして小沢の縁に出る
如何やらこの先の冬期ルートは
この小沢沿いに下って行くようだ
 
 
 
その小沢沿いのトレースを
忠実に辿って行くと
左手に小さな池が現れる
地図を見ると
池の表記はあるが名前は記されてない
で、そこからの先は作業道の表記があり
トレースはそこに続いている
道は格段に歩き易くなったのだが
思うようにペースは上がらない
山行の終盤
かなり疲れが溜まって来たのだろう
ま、ここまで来ればゴールはそう遠くない
日没まではまだ時間はあるし焦る事はない
飽くまでもマイペースマイペース
そんな事を思いながら
トレースを辿って行くと
右手に見事な滝が見えてくる
 
 
 
登山地図には表記もないが
帰宅後に調べると白崩滝という滝でした
白崩沢にかかる滝だから白崩滝
よくありがちな命名ですね
で、これほどの立派な滝なのに
辺りの地形が険しいせいか
調べても遊歩道や観瀑台は存在しない
一般的には幻の滝なのかも知れません
 
そんな滝を観て
更にトレースを辿って行けば
程なくしてその白崩沢の橋の袂へと辿り着く
ここは今朝往路に使った県道385号
更にだだっ広くなった道型を辿って行けば
 
16:04
除雪終点の車へと到着です
 
 
 
予定外の雪の浅草山山行
往きのバリエーションルート
復路の冬季ルート
思いの外充実した山行となりました