2023年3月19日
(その一)からの続きです
10:18
急登斜面を登り切って
1890mの平標山の北西の肩に乗る
相変わらず10m程の寒風が吹き抜けて
緩やかな稜線の先には
小さなピークが二つと
目指す山頂がその先にチョコンと見える
そして来し方を振り返れば
今日は幾度となく眺めている苗場山
見飽きる事もなく
再び繁々と眺め入ってしまう
更に視線を左に移せば
遠い浅間山も今日はクッキリ
対峙する黒斑山も確りと見えている
辺りはシュカブラの海
昨日の新雪が風に削られて
鋭いエッヂを起てて波打ち
灌木にはエビの尻尾が
珊瑚の如く纏わり付いている
そんな雪の造形を楽しみながら
緩やかに稜線を辿って行けば
尾根の上部にトレースが回り
巻機山から続く上越国境稜線が見えてくる
こちら側も雲一つない青空
真っ白な峰々が映える
緩やかに二つのピークを乗り越えると
正面に平標山の山頂が見えてくる
こちら側から見ると
均整のとれた美しい頂きだ
一旦、緩やかに鞍部へ下りて登り返す
昨日の新雪は風に吹き払われて
以前の下地の堅雪が露出状態
アイゼンが小気味よく金属音を発てて
カリッカリッ サクッサクッ
この音に気付ける時はご機嫌なとき
緊張を強いられる場面ではそうは行かない
10:54
平標山の山頂へと辿り着く
山頂には数組の登山者たち
ヤカイ沢からの人たちもいるようだ
いや、寧ろそちらからの人が多いかも?
で、やはりここでも何時もの展望写真
南方から時計回りで
↓
北側に回ると突然のガス
暫く山頂は真っ白になってしまったが
ガスの抜けるのを待つこと数分
完全には抜けきらないけれど
何とか形にはなったかな?
さて、時刻はまだ11時を回ったばかり
状況によってはここから下山という
選択肢も備えていたが
今日は仙ノ倉山まで
足を伸ばしてみようと思う
この時期の上越国境稜線は
強風に晒される事が多くて
中々仙ノ倉の頂きに立たせてはくれないが
今日の風は耐えられない程の強さでもなく
徐々に弱まりつつある感触もある
昨日の予報でも
午後は弱まる予報が出ていたから
当に予報通りの展開
おまけに雲一つない青空と来れば
これは行くっきゃないでしょ!
と、言われた気分だった
平標山から仙ノ倉山へは
木段と木道でよく整備された道
初夏にはお花畑が広がり
色とりどりの高山植物が見られて
気持ちの良い縦走路
だが、この時期は一面雪に覆われて
白一色の世界
ここから仙ノ倉山へと
足を延ばす人は少ないのか
薄くか細いトレースが続いている
その心許ないトレースを辿って
鞍部への斜面を下りだす
(その三)へ続く


















