2022年7月23日
この日もやっぱり北部の山の天気はイマイチ
なので今回も甲信の山へ転進
今年二度目の杣添尾根です
今回も前夜の内に現地入り
海ノ口横岳登山口の駐車場で車中泊
ここは10台程のスペースしか無くて
争奪戦が激しい所ですが
この時点で先着車は一台のみでした
翌朝、身支度をして
5:00
駐車場を出発
この時点で駐車場は満車状態になって
路駐車両も2台程
ここはもう少し駐車スペースが欲しい所です
道は登山口から別荘地内を行く
幾本かの別荘地内の車道を横切って
富士見岩分岐点を通過すれば
程なくして防獣柵ゲートに突き当たる
その扉を潜り抜け北沢の畔から
ゴロタ石ばかりの林道を辿ると
南八ヶ岳林道に突き当たり
再び北沢の畔に出る
そこは何時もの定点撮影地
杣添尾根や横岳を見上げられるのですが
今日の稜線は雲が確りと絡みついて
余り期待は持てなそう
まあ、それでも雨さえ降らなければ
山はそれなりに楽しませてくれるものですが
その林道の石垣上で早速花を見つける
石垣上は鹿も近寄れないのでしょう
これらの花が幾つも見られました
そして北沢の橋を渡れば東屋のある広場
そこにも花が幾つか見られて
その広場の先が南八ヶ岳林道横岳登山口
ここの仮設トイレで用を済ませて
(駐車場にはトイレ無し)
5:42
ここから本格的な登山道歩き
鬱蒼とした針葉樹の森に道が続き
5:48
程なくして中沢の橋に出る
この中沢一帯はコケゾーンとなっていて
沢沿いに美しい苔の絨毯が蔓延っている
前回来たのは真冬の時期
この苔はすっかり雪ノ下でしたが
瑞々しいこの季節は
”もののけの森”を想わせるほど
中沢の橋を渡るとその先は
急な蛇籠の階段道
この蛇籠、籠目の編みが細かくて
フラットに足を置けるのは良いのですが
足を乗せる面が沢側に傾いて
うっかり足を乗せようものならば
容赦なく靴が滑り出す
金属の針金と濡れた靴底
この取り合せは本当に気を付けねばです
その危うい蛇籠の側には
真赤な宝石のような実を付けたタケシマラン
幾つか小鳥に食べられてしまったのか
赤い実が三粒きりしか残ってませんでした
このタケシマラン
後にも先にもこの一株だけにしか
赤い実は残ってませんでした
蛇籠の階段道を無事に登り切り
鬱蒼と茂る針葉樹の森の道を辿って行く
この杣添尾根の道は
展望も無く単調で退屈な道が続く
それを承知で
今回もここへ来てしまったのだが
もう幾度となく来ているせいか
そんな事も考えなくなって
ただ無心に上部を目指して歩を進めるだけだ
6:47
標高2100m地点を通過
針葉樹の森はまだまだ続く
朝のまだ低い斜光線のせいか
林床には木漏れ日がチラチラと揺れて
時折聴こえてくるのは
ルリビタキやジョウビタキの声
夏山の醸す景観は耳からも感じられる
8:20
標高2500m地点を通過
ここはちょっと小広い平地
傍らの丸太に腰掛けて
暫しのレストタイムをとる
平地の先も急登道は続く
樹々は徐々に疎らになって
この辺りから枯木帯が始まる
八ヶ岳では縞枯山が有名だが
ここ横岳にも縞枯れ現象が見られる
白く枯れた倒木の間には
幼木がすくすくと伸びだして
当に倒木更新がここで展開されている
そんな幼木たち
今は新芽を伸ばす時期
コメツガの新葉は袋に包まれて
順次、先へと袋を押し出して行く
この様は何処かで聞いた事があるが
実際に目にするのは初めてでした
そしてコメツガとシラビソの違い
この手の針葉樹は見分けが難しいのですが
ちょうど幼木が並んでました
コメツガは文字通り米粒のような葉が
密に並んで枝の上面にまで付きますが
シラビソは細長い葉が
整然と横に開き並びます
こうして見比べれば一目瞭然ですね
枯木帯を抜け出すと樹高も落ちて
尾根頂点の道となる
久々の無雪期の杣添尾根
前回は2018年6月に来ていて
以前の夏道は北側斜面のトラバース道でした
その時はまだ残雪が残り
危ういトラバースをした記憶が・・・
その道は今現在は閉鎖されていて
何時からかこの尾根頂点の道に
付け替えられたのでしょう
確かに残雪の時期は滑落の危険も多く
中々気の抜けない道でしたが
尾根頂部に付け替えれば
そんな心配も無くなるのは明白な事
ただ、その新しい道を見ると
夥しい量のハイマツを切り払って
拓かれた痕跡が随所に見て取れる
登山者の安全を鑑みれば
解らない訳ではないけれど
何か複雑な気持ちになってしまう
9:02
その尾根道の展望台に到着
そう言えばこの展望台
2019年2月に来た時には既にあった筈
という事はこの尾根道は
2018年の夏から秋に
付け替えられたのでしょうか?
展望台から上部を仰ぎ見れば
グレイのガスに覆われて稜線は見えない
登りだしからそれは分かっていたけれど
淡い期待が無かったとも言えず
そのガスに向かって
緩々と尾根を登って行く
(その二)へ続く