岩団扇咲く横根山(その二) | 気ままにアウトドア

気ままにアウトドア

気の向くままに四季折々
  自然の中を流離う

2021年4月6日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

 

 

380mピークから下って鞍部の分岐点

ここを更に沼尻湿原へと下って行く

辺りは日の差さない檜の植林地

林床にはミヤマシキミとアオキの灌木

どちらも今が花の時期

茶褐色の目立たぬ花はアオキの木

白い玉のような花はミヤマシキミ

植林地でも退屈はしない

 

 

 

 

緩やか道を一頻り下ると沼尻湿原

見れば山上の本当に小さな湿原ですが

茨城県では貴重な自然風景だと言う

その湿原にはお決まりのミズバショウ

葉が伸びだして花期は終盤でしたが

今年も見る事が出来ました

 

 

 

 

そんな小さな湿原を

朽ちて危うい木道で南岸へ渡り

先程の鞍部の分岐点へと登り返す

 

鞍部から山頂への道を行けば

ひと際大きなブナの樹がある

枝を四方に広げて

如何にもこの山の主という風格

出会うだけで力を頂ける気がする

 

 

 

 

そんな道すがら

路傍には小さなスミレの姿が

しゃがみ込んで観察すれば

ミヤマスミレの仲間のシハイスミレのようでした

近縁種のマキノスミレは葉を立てて

シハイスミレは葉を横に広げる

ただ、シハイとマキノの区別は流動的

交雑種も珍しくは無いという

小さな花故にファインダー越しに覗いて見れば

可愛いさも倍増

種の同定などはどうでもよくなってしまいます

 

 

 

 

11:25

横根山の山頂へ到着

 

 

 

 

山頂には数人の方が休憩中

皆さん地元の方たちで

この山の幾つかの情報を頂きました

 

自分たちもここでランチ休憩

コンビニ調達のローストチキンドックと

風花さんから頂いた

揚げ茄子のお味噌汁

これが中々の絶品なのでした

 

さて、山頂を後にして

北側の”見晴らしの丘”へ行く

そこは樹林に囲まれた小さなピーク

樹間越しに海辺の街と太平洋が望めたが

期待ほどではありませんでした

 

往路へ戻って

鞍部から380mの小ピークへ

ここは地図には無い分岐点で

東側へ下る道がある

 

この道は嘗ての登山道

以前に滑落事故があり

長い間閉鎖されていたとの事

往路に使った尾根道は代替の新道であると

山頂で会った方達が教えてくれました

 

下山はその旧道を経て

 

上部は笹に覆われて

ちょっとした藪漕ぎ道ですが

踏み跡は確りと付けられて

何ら不安は感じない

下るにつれて笹藪が薄れ姿を消せば

またもやイワウチワの群生地

往路の尾根の群生にも

引けを取らないほどの見事さで

群生が始まりました

 

 

 

 

勿論、花はイワウチワだけではなく

対峙する尾根を見れば

萌黄色の中に山桜が彩りを添えて

鮮やかな紫色のツツジも

目を楽しませてくれる

 

 

 

 

ただ、そんな尾根道も

往路の尾根に引けを取らないほどの急傾斜

視覚にハンデをお持ちの風花さんにとって

下りは一層の慎重さを求められる場面

一歩一歩確実に足を踏み下ろして下る姿は

豊富な登山経験に裏打ちされた技

改めてこの方の潜在能力を見た気がしました

 

 

 

 

相変わらずイワウチワの群生は

途切れる事を知らず

可愛い花を咲かせてる

そんな尾根道を

木の根に縋り立木に縋り

ゆっくりと慎重に下って行く

 

 

 

 

標高150m付近まで下ると

花貫川の川面が見えて

川沿いの水平道へと下り立った

これで難所は無事通過

怪我も無く下りて来れて

風花さん共々一安心でした

 

後は川沿いの道を公園に向かって

藪椿の花散るガレ道を行けば

 

 

 

 

小さな二輪草の群落や

ハルトラノオの小さな花も見れる

 

花貫川の岸辺では

風に揺れる黄色い山吹の花

嘗て山女魚釣りに夢中だった頃の

気持ちの昂ぶりが蘇る

渓谷沿いの山吹の花は

山女魚釣り適期の指標なのです

 

 

 

 

そんな渓谷沿いの道すがら

山際の斜面に白い蕾の花を見つける

この時はヒロハコンロンソウかな?と思ったが

帰宅して写真を見直すと

確りと根元にランナーが写ってました

なので、これはツルカノコソウ

咲き始めの同定はやっぱり難しい

 

 

 

 

相変わらずスミレの花は

彼方此方に咲いていて

飽きずにレンズを向けてしまう

 

 

 

 

春の花散策は毎度の事

最後までカメラを覗き

時が過ぎる

 

14:04

桜公園駐車場へ到着

 

***

 

横根山はイワウチワの貴重な群生地

道から外れて群生地へ分け入る事は

踏み荒らしに繋がり安く

保護の観点からも避けたいものです

益してやここは急傾斜地ですから

滑落事故にも繋がり兼ねません

一人一人マナーを守って

貴重な自然を楽しみましょう