大天井岳(その二) | 気ままにアウトドア

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2019年10月9日~10日

 

ルート概要

中房登山口⇔燕山荘⇔大天井岳(往復)

 

10月9日のルート

中房登山口⇒合戦小屋⇒燕山荘⇒大下りノ頭⇒大天井岳

 

 

 

(その一)からの続きです

 

 

燕山荘で暫しの展望を楽しんで

大天井岳へ向けて稜線道に歩を踏み出す

この縦走路、歩き出しは稜線の右側斜面(西側)に付けられている

左側斜面(東側)は急勾配に切れ落ちて道には成り得ない

故に安曇野側の展望は望めないが

正面に大天井岳

右前方に槍ヶ岳

それに続く裏銀座の山々が時計回りに

右後方の立山剱まで脈々と連なっている

一頻り歩いては山々を眺め入り

緩々と稜線道を辿る

この快天日にこの稜線を歩ける幸せは

自身の長い山人生でもそう多くは無い時間だった

 

大天井岳への稜線道

 

 

燕岳(左)を振り返って

 

 

立山方面

 

 

12:19

稜線の目印ポイント”蛙岩”(げえろいわ)へ到着

稜線に突き立つ岩塔なのだが

姿形からその名が付いたのだろうと思い

一頻り色んな角度から眺めて見ても

自分にはカエルの姿が想像できずだった

 

蛙岩

 

 

蛙岩には今年お初の氷柱を見た

 

 

大天井岳(正面)へ 幸せな道が続く

 

 

道は2678mピークへ近付いて

稜線東側へ回り込む

西側の這松オンリーの植生から

まだ赤い葉を残した灌木帯へ

西と東の斜面では条件の違いから

こんな植生の違いも楽しめる

 

東側斜面の道

 

 

安曇野を見下ろして

 

 

12:49

大下りノ頭へ到着

 

 

 

燕山荘と大天井岳のほぼ中間点

大天井岳は大分近付いてきたとは言え

まだまだ遠く頂きまでは距離がありそうだ

 

大下りノ頭から大天井岳を望む

 

 

大下りノ頭から鷲羽岳を望む

 

 

地図を見ると大下りノ頭から鞍部までは標高差110m

気負ってしまいそうな名前だが然程でもなさそう

ただ、砂ザレ斜面の下り道

重たいザックでバランスが悪い中

適切なストックワークとフッティングは必須

スリップだけは避けたいと思う部分だ

 

無事に鞍部へ下れば

当然ながら次は登り返し

ここまでの疲れもあってか

急登でなくても地味にキツイ

 

道は再び安曇野側へ回り込むと

 

東側斜面のダケカンバがイイ感じ

意図的に小尾根に並べたような景観は

この時期だけの美しさ

(個人的にはこの景観が好きなんですよね)

 

鞍部から先の稜線を見上げる

 

 

クロマメノキ

 

 

大下りノ頭(左)と燕山荘(右)を振り返る 斜面のダケカンバがイイ感じ

 

 

13:30

次の目印ポイント為右衛門吊岩は巻道でクリア

なので、気付かぬうちに通り過ぎてました

 

為右衛門吊岩を振り返る

 

 

大天井岳が大きくなって

 

 

14:33

切通岩へ到着

ここは文字通り切通し状の岩場

クサリと梯子で鞍部へ下りて

再び梯子で岩場を登り返す場所

今回のルートでは一番の危険個所でした

 

切通岩の登り返し部分

 

 

切通岩を無事に通過すれば

後はひたすら大天荘を目指すのみ

ザックの重さに耐えながら

ガレた道を一歩一歩踏み進む

標高差200mの急登道は

長い一日の最後に残された修行のような時間

幾度かの九十九折を繰り返し高度を上げる

「大天荘まで500m」の表示が現れて

一瞬、「もう少しだ!」と思ったが

修行僧のような心持ちに

「されど500m」だと自身に言い聞かす

この500mが近いようで遠い

 

 

 

着実に歩いているはずなのに

400mの表示が中々現れない

無意識に「遠いな~」と言葉が洩れるが

それを言っても距離が近付く筈もない

やっと400mの表示が現れて

300m

200m

100mの表示を見つけた時に

漸く「もう直ぐだ」という気持ちになれた

 

15:25

大天荘へ到着

 

 

 

遂にやって来た大天荘

これで常念山脈の稜線は

北端の唐沢岳から南の蝶ヶ岳まで

自身の足跡が繋がりました

残すは蝶ヶ岳から霞沢岳間

それは何時になるか分からないが

コンプリートが近付いたのは確か

 

因みに前回、大天荘を訪れたのは2007年8月

上高地から穂高⇒槍⇒大天井⇒蝶⇒上高地と縦走した時でした

で、そんな事で気分は昂って

ヘロヘロ気分はどこへやら

山荘で受付を済ませテン場へ直行

先客は10張りほどでスペースは充分残ってた

中程の平地にテントを立ち上げて

ザックを放り込み

空身で山頂へ

山荘から北へ10分程で大天井岳山頂

逆光で西側の山はシルエットでしたが

中々の展望でした

 

大天井岳山頂

 

 

北方を望む 正面が歩いてきた稜線

 

 

裏銀座の稜線

 

 

槍穂連峰

 

 

南方を望む

 

 

富士山方面 左上に月が

 

 

安曇野方面 (影大天井も見れた)

 

 

テントへ戻って

後はまったりタイム

日没まではまだ時間があるので

いつものように泡盛タイム

今日は気温が低いのでお湯割りが美味

お摘みはチーズとサラミと柿ピーと

確りとアミノ酸を補給します

 

夕刻、日没の時間

合戦小屋 燕山荘とでお会いした

神奈川からのソロテン泊女性と日没鑑賞

雲一つない空の日没は

何時までも西の空を茜色に染めていました

 

17:25 日没を迎える

 

 

日没後も続く真赤な残照

 

 

テントへ戻り

夕食はキーマカレー

疲れているせいか妙に辛味を強く感じてしまって

ヒーヒー言いながら完食

 

歯磨きの為に外へ出ると

見下ろす安曇野の街明かりがキラキラと光り輝き

こちらもまたいい眺め

満天の星空を期待していましたが

満月に近い月が照り輝き

明るい星が幾つか確認できる程度

これはこれでまた素敵な夜空なのでした

 

街明かりを見下ろして (左は長野市街)

 

 

 

 

(その三)へ続く