大芦川に遊ぶ | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2019年5月29日

 

 

楽しみにしていた予定が流れ

ポンと空いてしまったこの日

思い立ったように渓流釣り

栃木県鹿沼市の大芦川へ行ってきました

 

大芦川は前日光の古峰ヶ原高原を水源とし

緑深い広葉樹の森を駆け下る渓

故に安定した水量は

渓魚を育て釣り人を引き寄せるのです

 

***

 

以前からやってみたいと思ってたテンカラ釣り(日本式毛鉤釣り)

幸いなことに嘗ての釣り仲間からテンカラ竿を譲り受けていて

後はラインと毛鉤があれば道具が揃う状態でした

 

この日、朝一の開店を待って釣具店へ

ビギナー向けのラインと毛鉤を入手し

その足で大芦川へと向かったのでした

途中、鹿沼市内のコンビニで

遊漁券を購入

これで準備万端

後は魚を釣るだけです

 

大芦川に着くと

昨夜の雨の影響は見られず平水状態

馴染みのポイントを覗くと既に釣り人の姿が

平日にも拘わらず入渓者の多さは

この渓の人気度の表れ

 

 

 

身支度をして河原へ下りる

 

竿にラインをセットして

黄色い胴に黒い羽毛の毛鉤を結ぶ

羽化したばかりのカゲロウを模したものかな?

 

先ずは目の前のポイントに仕掛けを振り込む

 

第一投!

勿論、初めてのキャスト

重さの無い糸と鉤が数メートル先へ飛んで着水

これがテンカララインの効果なのね~

と、当たり前なのに妙に感心する

しかしながら

着水したのは狙ったポイントから外れた場所

まっ、初めはこんなもんでしょ!

 

それから二投・三投・・・

段々にコツが掴めて来る

キャスティングのポイントは手首のスナップ

事前学習したセオリー通りだ

 

更にポイントを替えてキャスト

コツン!

と、竿から手に伝わる感触

目視は出来なかったが

魚が毛鉤にアタックしたようだった

いるいる!

流れを見つめ気持ちが昂る

気分は獲物を狙うハンターだ

 

更にポイントを替えてキャストを繰り返す

 

だが、

 

魚信(アタリ)はこの一度だけ

その後に魚信が来ることは無かった

 

人気の渓に遅い時間の入渓

当然ながら二番煎じ三番煎じであることは承知の事

 

魚だってバカじゃない

連日目の前に釣り針を送り込まれては

学習せざろう得なくなる

 

ここは人と魚の知恵比べ

如何に騙すか

如何に騙されぬかだ

 

次から次へ

ポイントを替えて渓を遡る

新緑の樹々と若草が岸辺を覆い

鮮烈な渓水が煌めく

小石の上でカジカガエルが唄い

水音が渓を支配する

そんな叙情的な景色とは裏腹に

自身は残酷な狩猟本能で身を包み

竿を持つ手の感覚に集中する

一投入魂!

しかし

仕掛けは虚しく流れ下るばかり・・・

 

 

日が高く天頂を過ぎた頃

川風が吹き出した

気温が上がると決まって起こる自然現象

川下から川上へ

樹々を揺らして吹き上げて行く

 

こりゃ~あかんわ!

 

ラインが風に煽られてコントロールが利かない

 

ということで

ここでテンカラ釣りは終了

馴染みのエサ釣りに転向

 

駄菓子菓子

 

餌となる川虫を探すも見当たらない

この時期、軒並み川虫たちは羽化してしまった後

流れの石をひっくり返し

下流で受けるネットには枯葉しか掛からない

そんな状況の中

やっと数匹のカワゲラを捕まえた

体長2㎝を超える巨大なカワゲラは

羽化直前のもの

ヤマメ鉤にはあまりにも大きすぎるが

これを使うしかない

 

その巨大なカワゲラを鉤に掛けて

ポイントへ振り込む

 

ヤマメのポイントへ何度も何度も

すると

大きな魚信があり

間髪を入れて合わせをくれる

(ヤマメは一呼吸おいて合わせるのがセオリー)

しかし、

鉤には掛らなかった

クソ~!

餌を盗られた!

 

百戦錬磨の魚たち

スティールの技も見事だった

 

気を取り直して次のポイントへ

落ち込みの後に緩やかな澱み

釣り人なら誰しもが期待する

大物が潜みそうなポイントだ

丹念に仕掛けを振り込むが反応がない

釣りつくされてしまった感があるが

魚は本当に不在なのだろうか?・・・

 

数投目に澱みの駆け上がり付近で

緩い魚信が来た

ヤマメらしくない魚信だった

何が来た?

セオリー通り合わせを入れると

合わせは決まり鉤掛かりした

竿先がしなり

仕掛けが走る

久しぶりに感じる釣りの感触なのだが

妙に心が躍らない

う~ん、やっぱりヤマメらしくないな

竿を立て仕掛けを引き寄せて

タモ網に誘い込む

姿を見て可笑しくなる

掛かったのは丸々と肥ったウグイだった

やっぱりヤマメは釣りつくされてしまったのか?

(摂餌の優先順位はウグイよりヤマメの方が上、ウグイが

釣れたということはヤマメの不在を意味する・・・    )

 

肥っちょウグイが釣れた

 

 

***

 

栃木県ではウグイをアイソと呼び

春の産卵期には浅瀬に大群となって群れ集まり

砂礫の川底で産卵行動をとる習性がある

その習性を利用して川漁師たちは

人為的に浅瀬に砂礫地を作り(アイソ堀り)

群れ集まったアイソを投網で捕獲する

当に一網打尽

海から遠い内陸の下野の地

嘗ては貴重なたんぱく源だった

抱卵した雌のアイソは特に珍重される

 

***

 

肥っちょウグイは残念ながら

今回のターゲットではないのでリリース

流れに戻してあげました

 

再び次のポイントへ

大石の落ち込みに洞がある淀み

ここも大物好みのポイントだ

仕掛けを振り込む・・・

三度目の投入で魚信が来た

今度もヤマメらしくない緩い魚信

またウグイ?

まっ、取り敢えず竿を軽く煽って合わせてみる

鉤に乗った!

直後

仕掛けが流れを走り出す

竿先がしなり

大岩の洞にラインが向かう

ヤバイ!

洞に逃げ込まれたら大変だ

竿を立て洞から引き離す

糸が張る

先ほどのウグイより引きが強い

だが、抵抗は続かない

水底に向かって暫し抵抗を続けていたが

徐々に水面へと浮上して来た

水面に頭を出して空気を吸わせる

魚はこれで一気に抵抗を止める

タモ網に引き寄せる

上がって来たのは綺麗なイワナ

背中の虫食い模様と

体側の水玉模様

女性なら思わず可愛いと言ってしまいそうな

お洒落な魚だった

 

イワナは渓流のお洒落さん

 

 

このイワナ

残念ながら移植もの

今では普通となってしまったが

東北~北海道に生息するアメマス系のイワナだ

明るい水色のドットが特徴的

それに比べこの地の在来のイワナはニッコウイワナ

腹部は赤みがかり全体に暗い色合いが特徴だ

このブログでも何度か書いてるが

漁協さん

この地の物はこの地の物を

大きな括りで言えばイワナですが

渓流魚は地域性が強い生き物

源流部の保護区設定ばかりでなく

放流事業にも気遣いが欲しいものです

 

さて、このイワナも

立派に闘ってくれました

敬意を込めて流れに帰してあげました

 

もう鉤に掛るなよ!

 

そう願いを込めて

 

 

 

久しぶりの渓流釣り

ヤマメを狙って大芦川までやって来たのだが

ここまでヤマメが釣れなかったのは初めての事

幸いに坊主では無かったけど

入渓時間が遅かった事もありますが

釣りの腕前も鈍っているようです

年に一度の頻度じゃあ少なすぎですね

今年は何度か渓流に

足を運んでみようかな?