湯元から奥白根山を目指して PartⅡ(その一) | 気ままにアウトドア

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2019年5月3日

 

湯元から日光白根山(奥白根山)へのルート

「残雪の時期に登ってみたい」と思い立ってからひと月以上

初回の3月下旬、平野部は晴れ渡ってるものの山は吹雪

仕方なく足尾の山”備前楯山”へ転向

二度目は快天日だったものの

寝坊という自身のお粗末で時間不足になり

前白根山で引き返す羽目に

今回、三度目

果たして如何に?

 

***

 

 

前回の時間不足の失敗から

今回は前夜に現地入り

湯元の県営駐車場で車中泊

日中は暖かった日ですが

ここ日光湯元の気温は4℃

冬用のシュラフを準備してきて正解でした

 

翌朝5時起床

気付くと駐車場には幾台もの車中泊車が

その車の殆どが登山者ではなく釣り人のよう

鱒釣りのシーズンに入った湯ノ湖

太公望達も朝まづめを狙って動き出してました

 

身支度をして

5:50

駐車場を出発

 

朝の県営駐車場

 

 

前回同様、旅館街を通ってスキー場へ

ゲレンデはすっかり雪が消えて草原状態

その草原には一面 糞・糞・糞・・・

黒豆のような鹿の糞がばら撒かれたように散らばってました

雪の消えたゲレンデは鹿たちの格好の餌場となってるようです

そのゲレンデを糞を踏みながら(避ける事は困難)登り詰めて

小尾根の取り付きへ

 

草原状のゲレンデ

 

 

日陰にはまだたっぷりの残雪

チェーンスパイクを着けようか?

チョット迷ったが直ぐにアイゼンが必要になるだろうからと

着けずにキックステップで登って行けば

風衝の部分は夏道が露わ

やはりこの時期は滑り止めの装着タイミングが難しい

 

小尾根の中程まで上ると

残雪がルート上に続くようになった

ここでアイゼン装着

 

残雪が詰まったルート

 

 

やはり朝の堅雪にはアイゼンがいい具合に効いてくれる

 

途中、樹林の切れ間から温泉ヶ岳が観れる

周囲の山々で目立たない山なので

こんな形で見れるこの場所は貴重なポイントなのかも知れない

 

温泉ヶ岳

 

 

小尾根のルートはすっかり残雪で覆われだした

斜上するようにルートを変えれば稜線が近い

8:08

外山鞍部へ登り付く

 

 

 

向かい側の谷底には西ノ湖

すっかり雪は消え緑色の湖面が望める

 

ここで遅い朝食

冷たいコンビニお握りをポカリで流し込む

(美味しくない)

 

ここから稜線伝いに(冬道)前白根山へ

まだ夏道は残雪の下で標識通りには行かない

 

今日も青空

 

 

時折薄雲もやって来るけど・・・  振り返れば男体山と中禅寺湖

 

 

天狗平から急斜面を喘ぎながら登る

だだっ広い尾根に出て進路を北西側へ

捻じ曲げられたカラマツやダケカンバの間を抜けて

 

視界が開けると

 

正面に奥白根と前白根

この景色は何度見ても感動ものです

 

奥白根山(左)と前白根山(右)

 

 

一度緩く鞍部へ下って登り返す

9:14

前白根山頂へ到着です

 

前白根山頂

 

 

山頂は風衝地

冷たい風の吹き曝しに堪らず先へ進みます

ここからは白根山の外輪山

時計回りに稜線を辿って先ずは鞍部へと下って行く

雪の着かない岩ガレの道

歩き難いアイゼンで下って行けば

鞍部の雪原をスロ-モーションでも見てるかのように

二頭の鹿が外山沢側へと走り去る

まるでネイチャーものの画像を見てるかのようでした

 

鞍部にはこんな池が生まれてました(この時期だけの池)

 

 

鞍部からは雪上ルート

先行する一人分の足跡を辿る

 

右手に大きく迫る圧巻の奥白根なのだが

寒風に甚振られそれを眺める余裕も無い

 

外輪山の稜線を行く

 

 

奥白根の雄姿

 

 

見覚えのあるカラマツの樹

(無雪期に何度か来ているので)

その先から避難小屋へとルートが続く

 

 

 

ここも上部は夏道が露わ

ガレた岩にアイゼンを引っ掛けぬよう慎重に下れば

中程から雪道へ

 

避難小屋へ向かって

 

 

9:42

避難小屋へ到着

 

 

 

 

入り口はまだ冬季入口しか使えないようだったので

小屋での休憩は断念

(アイゼンの着脱が面倒だったから)

先へ進みます

 

奥白根と外輪山との窪地を南東方向へ

先ほどまであった先行者のトレースは何処へ?

真っ新な雪原を独りトレースを刻んで行けば

 

あらっ! お日様が・・・

 

 

 

 

 

珍しい光景を見る事が出来ました

 

奥白根大斜面の取り付き点まで来て

一休みしようと考えてましたが

ここも風の通り道のようで

休む気にはなれず

そのまま樹林帯の中へと登って

程好いエアーポケットを発見

お誂え向きのように

「どうぞ座って下さい」と言わんばかりに

ダケカンバの枝が突き出ていて

ゆったりと休憩が出来ました

 

大斜面の分岐点

 

 

急峻な大斜面を前に

十分なエナジー補給をして

ストックからピッケルへチェンジ

いざ、大斜面へ突入です

先ずはダケカンバ林を直登

風に吹き消されかけた幾本もの古いトレースを見ると

どれも下山者のもののよう

ここを登ろうなんて酔狂な輩は自分だけか?

そんな事を考えながら

一歩一歩、斜面にステップを刻む

 

 

 

 

(その二)へ続く