5月24日のルート
新高塚小屋⇒大株歩道入口⇒楠川分れ⇒辻峠⇒白谷雲水峡入口⇒楠川
4:30 起床。
周囲のテントから出発の準備の音が聞こえている。
早起きは苦手なのでテンションは低い
緩々と食事を摂りテントを撤収。
6:20 新高塚小屋を後にする
朝の清々しい空気を吸い込み巨木の森を歩く。
正面から射し込む朝の陽ざしにヤクスギの力強いシルエットが浮かぶ。
7:24 高塚小屋到着。
初日に痛めた右足の具合が今日も良くない。
色々思案してみるのだが今日も靴紐を調節して頑張って歩くしかないのだ。
7:43 縄文杉へ到着。
デッキへ上がると縄文杉が奥まった所に鎮座していた
ゴツゴツとした図太い幹はどっしりとした風格を醸し出している
この太古の昔から年輪を重ねてきた生き物の姿からは、強大なパワーが放出されているようだった。
現在、展望デッキは左側の一つだけ、正面のデッキは落枝の危険がある為に撤去されている。
縄文杉のパワーをたっぷり頂いて展望デッキを後にする。
ここからは良く整備された道になる
大株歩道と呼ばれる道で屋久島観光のメインとなる場所なのだ。
次から次へとトレッカーグループが登って来る。
殆んどのグループはガイドさんを従えていた
屋久島は日本で一番ガイドさんが多いと聞いていたがこれを見て納得でした。
9:03 ウィルソン株へ到着してしまった。?
そう、してしまったのだ。
ここまで来る間に夫婦杉と大王杉を見る予定だったのだが・・・
気付かずに通り過ぎてしまったのだ、大失態である。
傍らにいたガイドさんに訊くと、上から下りてくると気付かずに来てしまう事が多いとの事。
もう一度登り返す気力は無く今回は諦める事に。
団体のトレッカーさんが続々と登って来ます
下っているのは自分だけ?なので、すれ違いが大変です。
ウィルソン株から直ぐの翁杉を過ぎる。
団体さんの切れ間を見計らって急坂をドンドン下ります、
9:46 大株歩道入口へ下り立つ。
ここでトイレを済ませトロッコ道を行きます。
初めのうちはレールの内側に張られた木道を歩いていたのだが
足への負担が多い事に気付きレールの外側を歩く。
落ち葉の積もった部分は足には優しいからだ。
三代杉を通過して
10:55 楠川分れへ到着。
ここからは登りの始まり、辻峠へ向かって登山道を登って行く。
本日三日目と言う事も有り疲れた体には厳しい登り。
立ち休みを繰り返し呼吸を整えながら登って行く。
大きな岩が庇のように付きだした”辻の岩屋”を過ぎると峠はもう直ぐだ
11:54 辻峠へ到着。
ここで再びフェリーで一緒だったKさんに会う。
お互いのスケジュールは知らないのだがこんなに何度もめぐり合うとは?
何か不思議な感じがする。
Kさんと昼食を摂っているとゴーッという爆音が上空を通り過ぎて行った。
そうだ!今日は種子島からロケットが撃ち上がる日だったんだ。
しかし、気付いた時は遅かった。
既にロケットは飛んで行ってしまったのだ。
なぜ悔しがるか?ここから10分程の太鼓岩は展望地で今回訪れるつもりでいたからだ。
昼食を済ませKさんと太鼓岩へ向かう
10分程登ると太鼓岩へ出た。
数人の若者が展望を楽しんでいた
聞くとロケットは真っ赤な炎を吐いて上空を飛んで行ったと・・・
あ~やっぱり見たかったな~
辻峠へは別ルートで下る。
Kさんは混雑を避け登山道で峠まで登って来たので下りは原生林歩道を行く事に
そう、自分と同じルートなのです。
なのでKさんと一緒に峠を白谷雲水峡へと下りだす。
苔の歩道と言われる道を下ると人だかりの場所へ
そこは”苔生す森”と名付けられた場所でした
ここはあの宮崎アニメ”もののけ姫”の登場シーンのモデルとなった場所
しかしあまりにも人が集まり過ぎて歩道部分が踏みつけで数倍に広がってしまっていました
有名になるのは良いが考えものである。
自分には皮肉にもそこから少し下った所の方がきれいに見えた
以下は白谷雲水峡の写真です。
15:30 白谷雲水峡入口へ着く。
ここでKさんはバスを待つ
自分はまだ楠川歩道を下る予定なのでKさんとはお別れだ。
しかし、明日のフェリーも同じだと聞き「ではまた明日。」と言って歩きだす。
楠川の橋を渡り駐車場の奥の林道を登って行くと
楠川歩道の入口があった。
急な斜面を沢へ向かって下るのだが道形が見当たらない
目印のピンクテープが無ければ不安になる所だ。
沢を渡り苔生した岩を飛び越える
その先には明瞭な道形が現れホッとする。
今は白谷雲水峡入口まで車で入れる為か?
殆んど歩かれた形跡が見当たらない
この先無事に楠川まで下れるか不安になるが気を引き締めて歩いて行く。
直ぐに三本杉が現れる。
訪れる人が少ない為か何の表示も無いが、直ぐにそれと判る姿で立っていた。
しっかりと石畳の敷かれた道は歩き易い
嘗てはここを人々が岳詣りに使った道なのか?
などと想像を膨らませながら下って行く
急斜面を九十九折れに下りだす
ガレた道には照葉樹の落ち葉が積りとても歩き難い
急斜面が終わると杉の植林地の道
間伐のされた明るい道を行くと林道へ出た
舗装路を行くと右側に楠川旧歩道の表示があった
しかしそちらを良く見ると間伐作業中
道も荒れてそうなのでこのまま林道を下る。
林道を歩いて行くと路面にペッタンコになった蛇が
車に轢かれてしまったのだろうが良く見ると独特の模様が・・・
これは、何とハブではないか!
今まで気にも留めなかったがこんな毒蛇の生息域を歩いていたんだ
と改めて緊張し直す。(チョッと遅いか)
民家のある辺りまで下ると犬の散歩のおばあちゃんに会う
県道までの距離を訊くと1.5kmの返答
もう少しでゴールと思いながら舗装路を下って行く
5:10 県道へ出る。
今日はバス停一つ先のキャンプ場がゴール
時刻表を見てもバスは当分来そうも無いので歩く事に
5:40 予定していた民宿海楽園のキャンプ場へ到着。
手続きを済ませ(¥800)早速テント設営
どこでもお好きな所にと言われたのだが風が気になって
建物の直ぐ側に張る。
ねぐらが完成したら近くの”わいわいらんど”というスーパーへ買出しです。
寿司パックとビール&明日の朝昼分の食糧を買って戻って来ました
ウッドデッキに裸足で乗り海を眺めながら冷たいビールをやります。
規則的に押し寄せる波を見ていると素晴らしかった三日間が思い返されました
屋久島は素晴らしい島、このままの状態で後世に残したい
潮騒と潮風は人の心を不思議に和ませるのか?
そんな想いが湧きあがって来る夜でした。
食事の後はキャンプ場のシャワーで汗を流します
スッキリしたところで寝袋イン。
今夜は潮騒を子守唄に眠りに就きました。
( 続く )