奥秩父 黒金山 国師ヶ岳 甲武信ヶ岳 縦走(その二) | 気ままにアウトドア

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4:20に起きる、テント内の温度は0.6℃、昨夜は羽毛ソックスのお陰で足が冷たくなる事も無く眠る事ができた。

朝食を済ませテント撤収が済んだのが5:50だった。

低い位置に雲があるのか朝日が射して来ない。

気温は-2.3℃、落ち葉を踏んで国師ヶ岳方面へ登りだす。

1時間程登っただろうか、辺りの木々には真っ白に霧氷が凍り付いている。

朝日も当たりだして、キラキラと輝いて美しい。


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                 カラマツの幼木もご覧の通り


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                   ダケカンバに着いた霧氷


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                  シラビソ帯のこんな道を登って行く

道は緩やかになり倒木帯になる、真新しい倒木は道を完全に塞いでしまっていて、それを迂回しなければならない。

この辺りで気温-4.0℃、本日の最低気温だった。

再び急坂の登り、背後から朝日を浴びながら登る。

振り返ると樹間超しに雲海に浮かぶ富士山が見えている。

急坂を登りきった左手の露岩で富士山を眺める、こんな富士山を見るのは初めてだ。生涯忘れられない光景かもしれない。


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                   雲海に浮かぶ富士山

この露岩から平坦な道を少し行くと8:52北奥千丈岳山頂に到着する。

ここは奥秩父の最高点だ、南アルプスや中央アルプス、御岳山、北アルプスそしてすぐそばの金峰山、今日は素晴らしい展望だ。


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                   北奥千丈岳山頂


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                   雲海の向こうに南アルプス


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             左が金峰山 五丈石も見える 中央は朝日岳 右奥は八ヶ岳

山頂から少し下ると稜線の道に合流する、ここを右に向かい少し登ると国師ヶ岳山頂、ここからも富士山の眺めが素晴らしかった。


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                    国師ヶ岳山頂


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                  国師ヶ岳より望む富士山

山頂からは当然ながら下りの始まりだ、シラビソの中の道なのであまり日が差さない。風があまり無いから良いが気温は2℃から4℃の間を前後している。

国師ノタルだと思う所で一休みする。

行動中はあまり寒さを感じないのだが、小休止すると途端に寒さが凍みて来る。


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                   国師ヶ岳からの下り

そこへカップルが追い付いてくる、国師ヶ岳山頂で見かけた二人だが途中で追い越してきたのだ。

名古屋から来たと言う二人は聞くと今後の行動予定が自分と一緒のようだ。

その女性の方が自分の持っていた自作のマップホルダーに興味があるようで事細かに聞いて来た、自分で言うのも何だが、これはとても使いやすいので機会があったら紹介したいと思っている。


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                     東梓

11:43東梓に着く、樹林の中のピークで展望はない。

国師ヶ岳から甲武信ヶ岳への稜線は黒木の中の道なので展望が殆んど無いと思っていた方が良いだろう。

12:44両門ノ頭に着く。

南側が大きく切れ落ちている岩壁でこの稜線で唯一展望のある所だ。


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                  両門ノ頭 左奥の国師ヶ岳から歩いて来た稜線が続く


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                   両門ノ頭より甲武信ヶ岳(右奥)

相変わらず樹林の中をアップダウンする道が続く、富士見と思われるピークには何も表示は無かった。

道は急な登りに変わりこれを登ると14:04水師に到着。

ここも展望は無い。


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                    水師山頂

水師から下りを下り切った所が毛木平への分岐点、ここを直進する。

急な登りが始まる、甲武信ヶ岳への登りだ。登山者の姿も見え始め百名山の賑やかさが漂ってくる。

右側が大きく崩れた斜面に出ると展望が開け山頂も近い。

15:02甲武信ヶ岳山頂に到着。

南側にはモヤが懸った富士山が望め、今日歩いて来た稜線が逆光の西日の中に続いて見える。

北側には埼玉県の最高峰、三宝山が間近に望める。


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                    甲武信ヶ岳山頂


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                    三宝山

急な道を下る、何人もの空身の登山者とすれ違う、この分では小屋は混雑しているかも知れない。

15:25甲武信小屋に到着する。

受付を済ませ小屋下のテント場へ下りる。

空きスペースは殆んど無いが、一張り分の雪の無いスペースを見つけ設営する。
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                    甲武信小屋

16時過ぎにあのカップルも到着しテントを設営している。

その後もテントの登山者がやって来て、とうとうテント場は満杯状態になってしまった。この時期になれば比較的テント場は空いているものだが、ここは例外のようだった。

この時刻で気温は既に氷点下、雪の無い地面に設営したとは言え、凍った地面ではあまり変わりは無い様だった。

こんな時は温かい食べ物を体に放り込むしかない、泡盛もお湯割りにする。

体が冷めないうちに寝袋に入る、水も凍結しないよう寝袋に入れる。

19時頃トイレを済ませ眠りに付くが、夜中に寒さで何度も目が覚めてしまう。

テント内でも気温が-2.6℃を表示している。

羽毛ソックスのお陰で足は寒くは無いが、薄いマットを通して地面からの冷えが背中に伝わって来る。

寝返りを討ち、体の接地場所を替えながら長い夜をやり過ごす。

外は風があるようで樹林がゴーゴーと唸りを発てている。

明日は風の中を歩かなければならないのだろうか。


                 ( 続く )