あおいです。
息子は、噂話を打ち消すこともなく。
ただ、だまって受け止めていました。
事情が色々分かってきた私は「夏休みまで学校休むかい?」と投げかけましたが、息子は「大丈夫、問題ない」と取り合いません。
そして、6月のある日。
息子は、ついにSくんから、重大な言葉を引き出すのです。
それは、メイちゃんがSくんに何と言っているかという情報でした。
のらりくらりと謝らない息子に対してしびれを切らしたSくんは、メイちゃんとのやり取りをスクショにしてチャット画面に上げました。
そこには、メイちゃん自身が、息子の存在が迷惑だと語っていたり、Sくんのこと好きかもって言っていたり、リズさんと息子が結託してSくんとの仲を裂いているなどと嘆いていたり、それはもう、目も当てられない嘘のオンパレードが並んでいました。
次は息子のターンです。
息子は、メイちゃんから告白されたLINEのスクショ、昨日も送られてきたSくんの悪口のスクショを、チャット画面に上げました。
「嘘つきの言うことは信じない!」「クズ! キモイのはお前だ!」「お前の味方は、一人だっていないんだ! みんなお前が嫌いだって言ってる!」「俺は、メイを信じてる、もうお前、二度と連絡してくるな!」
Sくんが連投する罵倒の言葉に、もはや息子は返答しませんでした。
息子は、その画面をまたスクショにとって、日課となっているメイちゃんとのLINEに挑みました。
その日も楽しそうにメイちゃんが語っています。
そんなメイちゃんに、息子は「ちょっと聞きたいことあるんだー」とメッセージを送った後、Sくんとのチャット画面のスクショを上げました。
メイちゃんのショックは計り知れないものだったでしょう。
「せっかく楽しく話してたのに、何で空気読めないかな、あー、そもそも読めないバカだったね、お前、超つまらんヤツ。死ね」
メイちゃんとのLINE交換は終わりを迎えました。
その後もSくんの悪口の拡散は止みませんでした。
これ見よがしにJくんが「今度、俺の家でSくんたちとお泊まり会するんだよ、アキトはイラナイ子だけど」などというメッセージを寄せたりもしましたが、息子は感情を無くしたかのように反応しませんでした。
私は、事の顛末を、担任の先生に報告しました。
大人は、残念ながら誰も、息子から相談されることはありませんでした。
「あまりにも噂話が一人歩きするようなら、私、介入したいと思うんですが、正直、うちのクラスではそんな話題すら上って来ないし、本当に平和にアキトくんも過ごせているものですから…」