あおいです。
息子に、学ランはジョニーくんの家にあったという話を伝えます。
目の前で電話をしていたので、だいたいの事情は分かっていた息子は、ただ頷きました。
「当日中に、ジョニーくんのカバンの中まで確認しておけば、ここまで大変な思いをせずに済んだとは思わない?
息子が出来なくても、話を聞いた先生は、そう行動するべきだった」
「…うん…そう思う…」
「先生は悪い人ではないのかもしれないけれど、交渉可能な相手ではないと思う。
今後、何かが紛失したら、担任の先生のほかに、もう一人、相談できる先生を探したほうがいいかもしれない…」
さて。
翌日。
息子が帰ってくる前に、担任の先生から電話がきました。
「無事、学ランは返しました!」
「そうですか、お手を煩わせてすみませんでした」
「それで、朝、ジョニーくんに、事情を聴いてみたんです」
「え? 事情なんてあるんですか?」
思わぬ先生の言葉に心が動きます。
ちゃんと事情が聴ける人だったんだ…と感動したのも束の間。
「間違えて持ち帰ったとしても、どうして翌日持って来なかったの? わざわざオサガリの学ランまで持ち出して登校したのに、どうして息子くんの学ランは持って来なかったの? って聞いたんです」
「ええ、それで?」
「それが、「今更そんなこと、どーでもいいじゃないっすか!」って言われました。どうでも良くないんですけどね!」
「へぇ、それはまた…あはは………」
かろうじて絶句することはありませんでしたが、気が遠くなります。
悪い人ではない。
今もこうやって、正直に話をしてくれる。
確かに私も「事情なんて、どうでもいい」と言った。
だけど、私への報告がどうでもいいんであって、先生はジョニーくんの指導をしなくちゃいけない立場じゃないの?
中身がスカスカの報告を受ければ、私の気持ちが悪いほうへ傾くかも、なんてこと、想像したこともないのかな…
「あと、ハーフパンツと筆箱も、今後も探します」
「ハーフパンツはともかく、筆箱は、もう…」
「息子くんの筆箱は色も目立つし落ちていればすぐに分かりますよ。だから誰かが持ち帰った可能性があります」
学年主任の先生の受け売りでしょうか。
「それに、ジョニーのロッカーの周りは彼の物で散らかり放題で、何があっても不思議じゃないですし!」
「………大変ですね………」
「ほんとに!」
「困っちゃいますね」
電話をきって、彼との会話を反芻します。
言語化できないモヤモヤが、心の底に溜まっていくようでした。
その後、帰宅した息子に、返却された時の様子を聞きました。
「謝ってもらえた?」
「いいや、すごーく軽いノリで「はいよー」って渡されただけだった」
「そうか…」
ジョニーくんから事情聴取も出来ない、ジョニーくんに謝らせることも出来ない、そしてそのことを疑問に思わない。
…それが、この学校の姿勢なのでしょうか。
それとも、担任の先生が、もう、機能していないのでしょうか。
苦しい気持ちを抱えた私を導いてくれたのは、ブログに届くメッセージでした。