家庭訪問の日に発覚した困りごと | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。

 

イジメ予告犯Aくんとのトラブルとその解決から一週間ほどたった家庭訪問の日。

息子の様子はいつもと変わらず、とりあえず「家での様子」とか「学習について」など話す内容を脳内でまとめながら担任の先生をお待ちしていました。

「もう学校で困っていることはないんだよね?」

と念のために聞いてみると、何と困っていることがあったのです。

 

「Aくんの真似をして、同じ班のBくんも僕に仕事を押しつけてくるようになった」

「えぇ?」

「あとCくんとDくんが、とある女子のことを僕が好きだって言いふらしてからかってくる」

「はぁ?」

 

これはめんどくさい予感です。

 

「その女子のこと、別に嫌いじゃないから返答に困るんだよね…で、好きだと何でなのか知らないけど変態呼ばわりされるんだよね」

好きだと「ヒューヒュー(古い)」ではなく「変態」って言われちゃうというのです。

これは先生に伝えるべきなのか。

中学生によくある?ことだと思って黙っておくのか。

この程度のこと、自力で何とかするのが当たり前でしょう、と突き放す???

 

「Bくんの件は、間違いなく、息子がAくんの言いなりになった結果だよね。もう仕事をやってあげるのやめるといいよ。からかわれる件もそのうち新しいネタで上書きされるんだろうし反応しなければいいんじゃない?」

「それが出来なくて困っているんだよ」

「だったら、困るんじゃなくて、怒るといいのに。うるさい、うざいって」

 

結論の出ぬまま、家庭訪問の時間がやってきました。

時間より少し遅れて先生がいらっしゃいます。

あいさつもそこそこに席に着いた先生は、まっすぐに息子を見て開口一番こう言いました。

 

「なぜ相手を無視しないのですか?」

 

驚きの家庭訪問の開幕です。

 

「イヤなことはイヤだと主張してください、くだらないことを言っている相手とまともに付き合わないでください」

 

よく分かりませんが、どうやら担任の先生は今回の息子の困りごとを把握しているようでした。

たまたま私も息子から事情を聞いていましたが、知らなければ先生のイライラは謎だらけだったでしょう。

 

例年、家庭訪問の場では、毎年、息子の特性について話をさせてもらっていました。

約束を忘れがちなので可能ならば気を遣って欲しいこと(具体的には帰りの会などでメモを取る時間を与えてもらいたい)、とにかくチョッカイを出される系の意地悪に弱いこと、勉強のことは先生の言うことなら聞くと思うので宜しくお願いしたいこと、などなど。

ですが、そういうことを伝える余地がないのです。

先生は怒っています、イライラしています。

そもそも私の方を見ていません。

 

「あなたの当番ではないのなら無視してください」

「でも困っているなら助けてあげたいです」

「困らされているのは他でもないあなたではないですか、嘘をついて言うことをきかせる相手に踊らされないで欲しいです」

 

とか。

 

「女の子に興味のある人間の言動にいちいち反応するから喜ぶんです、無視してください」

「相手にはしていませんが、完全に無視するなんてできません」

「無視することができないなら、先生に出来ることなんてありませんよ」

 

とか。

 

先生が一生懸命、息子の在り方を変えようと説得しようとしているものの、まったく効果が無い様子が目の前で繰り広げられるわけです。

 

いたたまれない気持ちになって「あの…」と声をかければ、

「お母さんだって心配されているでしょう? 一人一人が成長して大人にならないと、事態は何もかわりません!」

と、やっぱり私の方を見ないで言うのです。

 

十分ほど先生と息子のやり取りが続き、時間がきてしまいました。

「そういうわけだから、あなたもよく考えてください」

そう言って、先生は自宅を後にされました。

 

何と、私と先生は会話を一つもしませんでした。

 

「…で、どうするの? 無視するの?」

「だから、無視できないんだって言ってるよね。イヤだっていうのは言ってるけど、相手は僕の言い分を聞いてはくれないんだよ」

 

後日、「変態」とからかってきたCくんのお母さんから電話がきて謝罪されました。

「ごめんね、イヤなこと言っちゃったみたいで」と恐縮されましたが、聞けばCくんも反抗期で、手を焼いているのだと言うことでした。

 

家庭訪問での先生の態度には疑問があったものの、事案から逃げているわけじゃないことが分かって、再び、私の日常は戻ってきました。

それがほんの束の間になろうとは思いませんでした。