第1章:今からキミを、好きになってもいいですか❶ | 「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

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趣味で小説を書いています。絵を描いたり写真を撮ったり、工作をしたり書道をしたり、趣味たくさんです。古典で人生変わりました。戦国時代&お城好き。百人一首とにかく好き。2016年、夢叶って小説家デビューできました。のんびり更新ですが、どうぞよろしくお願いします。




こんにちは🐹


短編のつもりでスタートしたこの小説。

途中から書くのが楽しくなって、長編へと舵を切りました😅



よろしければ、おつきあいくださいませ☕️


5.17前書き更新


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待ち合わせは19時のはず。
時計を見れば、30分をとうに過ぎていた。

おなかすいたな…。

店に着いて、とりあえず格好つけで頼んだグラスワインは、ちびちび飲んでいたにもかかわらず、すでに空っぽ。

先にご飯を頼むか、それとも飲み物をおかわりするかとメニューを開いたところに、智希からメールが届いた。

やっぱりね…。

あと1時間はかかるというので、ご飯を食べることにした。がっかりはしない。いつものことだから。時間の読めない仕事だということは、重々承知の上で付き合っている。

「お待たせしました」

個室の呼び鈴を押すと、店員さんが襖を開けて顔を覗かせる。

私は、メニューで顔を隠しながら、いくつかの食べ物を注文した。

「以上でよろしいですか?」
「はい」

目を合わせず、手短に返事をすると、店員さんは静かに襖を閉めた。