3月8日・障害保健福祉関係課長会議のまとめ(その11) | あおいさんの部屋

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ああ、生クリーム専門店。又村です。
 

あればいいな・・とは思っていましたが、どうやら期間限定で渋谷にオープンしている模様。時間ないけど行きたいわあ。そして思うがままに生クリームを堪能したい(遠い目)

・・という、ようやく軌道に乗ってきた体型維持をぶち壊すネタはさておき、今回も、3月8日に開催された「障害保健福祉関係主管課長会議」のポイントを振り返りたいと思います。

【資料のURLはこちら】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/

このところ、障害福祉課の議題を取り上げていきます。

【障害福祉課の資料はこちら】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154551.html

(障害福祉課議題)※ 終わった議題は消していきます
5 平成29年度障害福祉サービス等報酬改定について
6 平成29年度障害福祉サービス等経営実態調査の実施について
7 障害福祉サービス等情報公表制度について
8 訪問系サービスについて
9 障害者の就労支援の推進等について
10 障害者優先調達推進法について

今回は、「5 平成29年度障害福祉サービス等報酬改定について」「6 平成29年度障害福祉サービス等経営実態調査の実施について」「7 障害福祉サービス等情報公表制度について」「8 訪問系サービスについて」を取り上げます。

平成29年度の報酬改定については、来る平成30年の大改定(抜本改定)を前に、小幅な動きとなっています。
具体的には、いわゆる「ニッポン一億総活躍プラン」に基づき、福祉事業分野と競合他産業との賃金差がなくなるようにキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を行うことを主眼としています。
このキャリアアップ(キャリアパス)の仕組みはかなり複雑で正直なところ良く分からないのですが、国の資料によると

① 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
② 資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること
③ 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること(平成29年度から新設)

の要件を満たせば満たすほど加算が上増しされていく仕組みになっているようです。ただ、就業規則等の明確な書面での整備、全ての福祉・介護職員への周知、加算として得た額以上の賃金改善の実施なども要件になっているため、なかなか導入が進んでいない状況があるようです。

また、これとあわせて「本丸」である30年度の報酬改定に向け、今年度は障害福祉サービス等経営実態調査が実施されます。今回は平成29年5月ころの実施ですので、調査自体は終了して結果集計が行われているところと思われます。
経営実態調査は、障がい児者支援サービスの運営(費用等)の実態を調査して報酬改定のための基礎資料とする目的があります。特に、サービスごとの「収支差率」(要するに儲かっているのか赤字なのかの率)は報酬設定上の重要指標となりますので、結果が注目されます。

障害福祉サービス等情報公表制度に関しては、事業所数が大幅に増加したことを踏まえ、サービスの利用希望者がさまざまな事業所情報をインターネットで検索できるようにする仕組みが総合支援法に規定されました。
具体的な公開方法はこれから煮詰めるようですが、公開される情報例は次のとおりです。

■基本情報(例)
事業所等の所在地、従業員数、営業時間、事業所の事業内容など
■運営情報(例)
障害福祉サービス等に関する具体的な取組の状況(関係機関との連携、苦情対応の状況、安全管理等の取組状況など)
■その他、都道府県ごとに必要と認める事項

最後に訪問系サービスについては、長時間利用のヘルパーサービスである「重度訪問介護」の利用促進に関する事業が改めて周知されています。
重度訪問介護は、利用時間が長くなることから市町村の支給決定時間数によっては国の交付金が満額支給されず、持ち出し状態になってしまうことを防ぐための取組みで、平成29年度には約10億円の予算が組まれています。
重度訪問介護については、重度の行動障がいのある人も利用対象となっていますが、利用実績は限りなくゼロに近い状況です。利用が進まなければ必要性が薄いと判断されてしまう可能性もありますので、知的・発達障がいのある人の重度訪問介護利用を進めるための取組みも期待されるところです。
また、いわゆる「3級ヘルパー」の取扱いについても示しがありました。3級ヘルパーとは、ヘルパー資格の中でも一番手軽に取得できる資格で、修了しやすい反面、介護保険制度では事実上業務に就くことができない扱いとなっています。ただ、障がい福祉分野では知的障がい・精神障がいのある人が3級ヘルパーの資格を取得して働いている事例もあることから、今でも報酬上の扱いが残っています。ただ、今回の課長会議で「3級ヘルパーの要件については、次期報酬改定において、見直す方向で検討することを予定している」とされ、おそらく報酬評価がなされなくなることが予想されます。
もう1つ気になったのは、家事援助の取扱いです。
国の会議等で「実質的に相談目的で利用されている事例がある」との指摘もあったようで、今回の課長会議では家事援助の支給決定については
・同居人の有無等の状況を確認する
・生活等に関する相談を目的とした長時間(1回あたり概ね1時間以上)利用の場合は、原則として支給決定を行わない
・その場合は市町村で実施する相談支援による対応等を求める
という方向が示されています。

その他には、ヘルパーサービスの支給決定に関する留意事項も再度周知されています。平成19年4月13日付けの事務連絡なので、何度も繰り返し周知されているのですが・・

ア 適正かつ公平な支給決定を行うため、市町村においては、あらかじめ支給決定基準(個々の利用者の心身の状況や介護者の状況等に応じた支給量を定める基準)を定めておくこと
イ 支給決定基準の設定に当たっては、国庫負担基準が個々の利用者に対する支給量の上限となるものではないことに留意すること
ウ 支給決定に当たっては、申請のあった障害者等について、障害支援区分のみならず、すべての勘案事項に関する一人ひとりの事情を踏まえて適切に行うこと

さらに、通院等介助等についての取扱いも再度の周知がされています。これも平成20年4月25日付けの通知です。

・病院内の移動等の介助は、基本的には院内のスタッフにより対応されるべきもの
・ただし、適切なアセスメント等を行った上で、① 院内スタッフ等による対応が難しく、② 利用者が介助を必要とする心身の状態である場合は通院等介助で対応可能
・「院内の移動に介助が必要な場合」「知的・行動障害等のため見守りが必要な場合」「排せつ介助を必要とする場合」などが該当
・通院の介助は、同行援護や行動援護により行うことも可能であり、これらと通院等介助の利用に優先関係はない


これで、「5 平成29年度障害福祉サービス等報酬改定について」「6 平成29年度障害福祉サービス等経営実態調査の実施について」「7 障害福祉サービス等情報公表制度について」「8 訪問系サービスについて」は終了です。次回は、「9 障害者の就労支援の推進等について」「10 障害者優先調達推進法について」に進みます。