平成28年3月全国課長会議の振り返り(その11) | あおいさんの部屋

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クマムシ知らないの?又村です。

前回「クマムシ」と書いたら、何それ的な反応がありまして、クマムシ様をご存知ない方がいるとは・・何せ、いわゆる「樽状態」になれば100年以上水なしでも生きられるわ、宇宙に放たれた後でも普通に生きてるわ、まさに最強。

・・という、でも体長は1ミリ未満なネタはさておき、今回は久しぶりに3月課長会議の振り返りを続けたいと思います。

【課長会議資料の全体はこちらから】http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/

ようやく終わりが見えてきた障害福祉課、今回は8回目です。

【障害福祉課の資料はこちらから】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106542.html

※ 資料が17のファイルに分割されています

障害福祉課の議題目次は以下のとおりです。(すでに取り上げた議題は除いています)

14 障害児支援について
15 規制緩和(構造改革特区関係)等について

今回は、「14 障害児支援について」の中から目を引いた部分を振り返ります。

障害児支援に関しては、まず放課後等デイサービス(放デイ)の質の向上、支援内容の適正化が打ち出されました。
具体的には、「不適切な対応」として

○テレビやビデオを見せているだけ
○利用時間の多くが送迎時間となっている
○必要以上の頻度で利用させる
○重度障がいの子どもを実質的に断っている(支援スキル不足を伝えて利用を見送らせる)
○支援者がバイトなどの未経験者中心となっている

などを上げ、こうした状況を改善するため、国がまとめた「放デイサービスガイドライン」を活用するよう求めています。確かに、立地等の問題で送迎時間が長くなってしまう点は地域性を加味しなければなりませんが、それ以外の要素は地域性に左右されるものではありませんから、障がいのある子どもと親御さんにとって大切なサービスである放デイだからこそ、足元が危うくなってしまうことがないようにしたいところです。

次に示されたのが、重症心身障害児者(重心児者)などの地域生活支援に関することです。
医療的なケアを必要とすることが多い重心児者であっても、地域での生活を前提とした支援体制を構築することは重要です。国では「重症心身障害児者の地域生活モデル事業」を実施し、その報告書が公開されており、活用が期待されます。

【重症心身障害児者の地域生活モデル事業報告書】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/cyousajigyou/index.html
※8番が重症心身障害児者の地域生活モデル事業です

また、この分野においては「重心判定には該当しないものの医療的なケアが必要」という状態にある子どもが相当数いることが近年の調査研究で明らかになっており、こうした子どもたちは重心判定には当たらないため看護スタッフが配置されている重心対応事業所の利用が困難なだけでなく、看護スタッフが配置されていない一般的な障害児者支援事業所はもとより利用ができないことから、文字どおり「行き場がない」状況にあります。

こうしたことから、今回の総合支援法(児童福祉法)改正でも医療的ケアを要する子どもへの対応を地方公共団体へ求める一文が加えられましたが、家族による対応には限界もありますから、早急な取組みが望まれます。

では、これで障害福祉課/地域生活支援推進室/障害児・発達障害者支援室の議題は終わります。次回からは、精神・障害保健課/心の健康支援室/医療観察法医療体制整備推進室の議題へ進みます。