妙満寺の紅葉

松永貞徳の肖像画

  俳諧の祖と言われる松永貞徳((1571年~1653年)が作った雪の庭のある京都妙満寺で、今年も貞徳忌俳句大会が行われました。

かきくけこくはではいかでたちつてと 貞徳

「柿を食べないでどうしてここを発とうか、食べてから帰るよ」ということを、五十音を用いて表現した機知の句です。

 元々は和歌、連歌の先生であり、俗語(日常語)の詩として俳句を定義し、初の句会を開いた貞徳は、雪の庭などの造園、庶民や孤児を集めた寺子屋の設営などマルチな文化人でもありました。

 第七回貞徳忌俳句大会 当日句の句会の私の選句の中から

金柑煮るぷんすかぷんと昼の月  西夏

オノマトペが面白く、金柑と昼の月が響き合っている。

冬旅や一人に一つ小宇宙          稲野一美  

ちっぽけな私にも、一つの小宇宙という広がりがあることの豊かさを思い出させてくれる素敵な冬の旅。 この句の作者の稲野一美氏は、この日の句会の賞品にもなっていた『京都カーストは本当に存在するのか』の中の「北区」の担当筆者でした。

  北区と言えば、翻訳の仕事をしていた頃ネイティブ・チェックをしてくれていた日系4世のK君が住んでいて近くの北大路ビブレで仲間とわいわい食事をしたことを思い出します。当時、ハワイ大学から京都大学への留学生だったK君から、「日本には素晴らしい女性が二人いる。それは、源氏物語を書いた紫式部と日本画の上村松園だ。」と逆に教えられました。

 シャガールの女は飛んで冬紅葉   由紀子

 

俳句大会運営の皆様、どうもありがとうございました。