道端の小判草
本書は、ウクライナの俳人、ウラディラワ・シモノアさんの句集(297句)。たくさんの写真、そして八木久子さんのユニークな日本画が随所にちりばめられています。
私は、高校生の頃、同年代のドイツの少女やオーストラリアの少女達とペンフレンドになって手紙をやり取りしていたことを思い出しました。当時は、インターネットもメールもなく、航空便のエアメール。切手を貼って出しました。たわいのない日々の暮らしの話題の中に、俳句の話を書いたこともありましたが、英語は私にとってもドイツの少女にとっても外国語。また、オーストラリアの英語にも微妙な特色があったりして、うまく伝ったかどうかあやしいものでした。
本書のウラディラワ・シモノアさんの俳句には、小さな虫達、野原の可憐な花々、空のかなたの星々を詠む等、俳句的発想が見られ共感を覚えました。
ウラディラワ・シモノアさんの原句の日本語訳を元に、日本の俳人が書いた俳句から。俳句 坪内稔典
なぜなんだ菫の蜂がみな凍る
たんぽぽよ跳べ飛べ戦争の空奪え
きっと来る雪と俳句の赤ちゃんと