1991年に太陽系(火星軌道と木星軌道の間を公転している)小惑星を発見し、その小惑星に「宮沢賢治星」と命名したという天文台「天究館」を訪ねました。それは、紅葉の美しい滋賀県湖東の小高い山の上にありました。

「小惑星の分布」の写真

 宮沢賢治星は17等級、約3年で太陽を回る小惑星で、地球からは2億キロ離れています。 1991年2月20日、天究館の杉江淳さんがシュミットカメラによって1991DVという小惑星を発見したことを初代館長の米田康男さんに報告しました。

 宮沢賢治の実弟の宮澤清六さんから、宮沢賢治という名の星がまだないことを聞いていた米田さんは、杉江さんにその小惑星を宮沢賢治と命名することを提案しました。そうして、1994年に国際天文連合によって小惑星1991DVをMiyazawakenjiと呼ぶことが承認されました。星になった宮沢賢治は、今日も、2億キロかなたの宇宙から、地球の私たちを見つめているのかもしれません。