妄想*恋の蕾(5 | 青と虹色 ~嵐*大野智さん*天然+大宮~

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大野智さんfanブログ。 愛されリーダー+仲良し嵐5人が大好きです

※以下妄想ストーリー(完全フィクション)です
実在の人物・団体とは一切関係ありません。


苦手な方は華麗に、スルーでお願いします


※おさらいはこちらからどうぞ  妄想*恋の蕾(1)~







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私の声に周りのお客さんが振り返る

恥ずかしさよりも また会えた嬉しさの方が大きくて…

彼も ゆっくりと私の方に振り向いた



…けれど 彼は またすぐに作業へと戻ってしまった…

「あ…」

そうだよね。仕事中だもの、邪魔をしたらいけないわ

閉店時間まで待って再度 店を訪ねると
ちょうど「CLOSED」の看板を掛けようとしている彼がいた

私は緊張しながらも
そっと声をかけた

「大野くん…」

彼は驚く様子もなく また私の方に振り返る
だけど彼から発せられた言葉は予想外のものだった







「あの…、  







 人違いじゃ…  ないですか?」







え?…




立ち姿…声  顔  全てが大野くんなのに…



    【 別  人…?】





私は体から血の気が引いていく感覚に襲われ
倒れこみそうになりながら数歩 足がうしろにさがる…

「大丈夫、ですか?…」

ああ、学校にいた時と同じ台詞…   なのに…

彼の着けているエプロンの名札には「谷岡」と書いてあった。


谷岡…さん。
大野くんじゃなかった…


「大丈夫です…」
私はポロポロこぼれる涙を手で拭いながら
「ごめんなさい…失礼します」

そう、短く答えるだけで精一杯で
彼に背を向けると早くその場から離れたくて
駆け足の状態になる

すると、後ろから声がした

「あの…!」

私は、ビクっと肩を上に 揺らすと立ち止まった。

「良かったら…また来て下さい」

「いえ…あの…」
私は 自分でも気持ちが混乱しているのが分かり
なかなか言葉にならない

「お待ちしてますね」
彼はにっこり微笑むと店の中に消えて行った。


私はしばらくその場から動けなかった。

この世には…似た人が3人いると
よく耳にするけれど
今まで、実際に会った事などないし

仮に似ていても
似すぎていると こんなにも気持ちを揺さぶられるものなのか…

さっきの彼の言葉が
大野くんに言われた事のように頭の中で繰り返していた。


___「お待ちしてますね」____






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それから数日は学校での仕事が忙しく
あのパン屋には行けずにいた。

もっとも、自分の中でも まだ気持ちの整理が出来なかったのだけれど…。


土曜日…


休みだし…散歩にでも行ってみようか。

今日も風が穏やかな気持ちのいい天気だった


私は誘われる様に あのお店へと向かっていた。
風に乗ってくる パンのいい香りが私を導いてくれるよう…

ショーウインドウ越しに 彼の姿を見つける

………。 やっぱり言葉に出来ない感情が溢れる。

ふと、店の前の看板に目をやると「新作」と書かれたパンの紹介が
温度が感じられるようなあたたかい手描きの絵と共に紹介されている。

「…これを、買うだけ…」
そっと つぶやくと

私は店の扉を開ける。

すると目の前に新作パンコーナーが設けられており
すぐに手にする事が出来た

トレーにパンを載せ レジへと向かう

奥で作業をしていた彼がそれに気付くとレジまでやってきた

そしてまた あの微笑み…。
「…このパン、僕が考えたんです
 まだ 焼きたてですから…きっと美味しいと思いますよ」

「ありがとう…」
私はそう答えながら彼を見る


「また、お待ちしてます」


これは接客の決まり文句なのだろうか…

だけど、彼に言われる度
胸が激しく苦しくなる

どうしても 彼に大野くんを重ねて見てしまう…。



そして何度も

もう行ってはいけない。
そう、 頭の中で警鐘が鳴り響いているというのに

時間が出来ると あの店の前に来ている自分がいた。





…本当に これで最後にしなくちゃ…。

店に着き 扉を開け
目に付いた商品を何個かトレーに置いていく

…あ。

彼が考えたというパンの前で立ち止まる。


トレー 一杯にそのパンで埋めると
レジに向かった。


今日のレジは女性の人だ…。

そう思っていると
奥から彼が現れ 女性とレジを交代していく

私は少し緊張しながら
彼がレジを打つ綺麗な指先を見つめていた。
すると、また彼に話しかけられる…
「パン…美味しかったですか?」
彼のパンで一杯のトレーを見つめながら そう質問される

「ええ」

「とても美味しかったわ。 ありがとう」
そう言うと パンが入った袋を手にして店の外へと向かった


彼の 決まり台詞が出る前に最後は私から立ち去りたい
あの言葉は 私には強すぎるから…

「…あ…」

彼の声が聞こえた気がしたけれど
私はそのまま店を後にした。





しばらくすると後ろから私を呼ぶ声が聞こえる

「あの… 待って下さい…!



 これ…。」


差し出された手にはお釣りが握られていた

……。
最後の最後に… こんな失敗。

かっこよく終わりにしたつもりが
やっぱりまぬけで笑ってしまう…

「あはは…」
自分の中から笑いが込み上げる

「…   やっと、笑ってくれましたね」

「え?」

「いつも…辛そうな顔…してたから」
彼の目には 私はそんな風に映っていたんだ…

「…僕で良かったら 話 聞かせてもらえませんか?
 
 その、大野くんって人について…」


風が髪を揺らせば
空中に薄桃色の花弁が舞った















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大野智くんに似た人がいたら…
っていうのは いつも考えるんだけど^^

皆さんはどうですか?
やっぱり考えるのかな~

でも実際そんな人いたらどうなるだろうね


yaco