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橙色の話

果実の欠片

トランプを一定量集めると男はベッドに腰を掛けどうぞと手を出した。

彼を囲んでいた女達の記録の手が止まり、これまた彼を見ていた、もしくは見張っていた医者をみる。
医者は無表情でうなずく。
うなずきが合図となり女の一人は大判のスカーフを、女の二人目は黒縁のメガネを、最後の女はベッド脇にテーブルと他の女2人が座る椅子を準備する。

準備されている間中、男はトランプを切り続けている。

そして準備が終わる頃にはトランプを配り始める。

医者はそれを苦々しく見ている。
トランプが配り終わる頃、二人の女は男にわからないように目で合図を送り合い、そしてタイミングをあわせて笑い声をあげる。

そうやって今日も診察という名の観察が始まる。


いいや、もしかしたらこれは実験なのかもしれない。




誰が彼女を殺したのか?

その問いを投げかける前に私と彼の出会いから話しておこうとおもう。

私は彼を東京のある街のガレキの中で見つけたのだ。


そして瓦礫の中から彼を引っ張り出したのだ。



「…眩しい。」


彼は一言、そうつぶやいた。

晴れ。時々アザラシ2