ごきげんよう。えの字です。
六本木の国立新美術館で開催中の
「マティス 自由なフォルム」を観てきました。
こういった美術展に限らず、本やテレビ番組も
ある人物の人生を振り返るドキュメンタリーのような内容が好きです。
どういう経緯があって、このような表現に結び付いたのか。
そこにとても興味をそそられます。
そういう意味でも、今回の展覧会は好みだったし、見応えがありました。
展示されている作品は、絵の具で描かれた絵はもちろん、
鉛筆のみ、黒い墨のみで描かれた絵もあったし、
彫刻、木彫、陶器、舞台衣装もありました。
最晩年には礼拝堂の室内装飾や司祭服のデザインまでも!
女性をモチーフにして少しずつバリエーションをつけながら
何枚も何枚もまるで100本ノックのように描かれた作品群もあって、
あらゆる手法で、とにかく表現を重ね続けてきた人なのだとよくわかりました。
マティスは晩年に「切り紙絵」という、極限までそぎ落とした
リズミカルでシンプルな線と色の表現にたどり着きます。
・そぎ落として最小限の表現ながら見ている人にしっかり伝わる
・軽やかな中にもどっしりとした重厚感が感じられる
そんな特徴があるのは、二次元だけでなく三次元の表現にも取り組んだ
経験の裏打ちがあるからかもしれない、なんてことを素人なりに感じました。
会場にはマティスの制作風景の写真も展示されていました。
その中には車椅子に座っている姿が。
後から調べたところによると、マティスは1941年に十二指腸癌に罹患。
手術後に重篤な後遺症に苦しみ、身体の自由が効かなくなったそうです。
そんな状況に置かれた彼が取り組んだのが「切り紙絵」
①弟子が色を塗った紙をマティスが切り取り
②その切り取った紙をキャンバスにピンで仮止め
③位置を細かくマティスが指示
④マティスがOKを出したら、弟子がキャンバスに紙を貼りつける
こういった手順で制作されたそうです。
この写真で見えるかな?
1つの作品の中にピンの穴がいくつも開いているところから
彼の表現することへの熱というのか執念というのか
そういうものが伝わってくるようで、心を揺さぶられました。
「セクション5 ヴァンスのロザリオ礼拝堂」
礼拝堂という祈りの場のデザインだからかな?
静謐さがあって、ここのお部屋が一番好きでした。
5月の私のテーマのひとつが「元気に遊ぶ!」笑
3月は娘と私の2人が時期をずらしてインフルエンザB型に感染、
4月は働き始めたばかりで余裕がなかった上に家族の用事が多く、
ほとんど遊びにいけなくて。
気になる展示はどんどん行って、パワーチャージしたいと目論んでいます。