oich〇さんお勧めの’遠い夜明け’やっと観ることできました。
    
   身の安全を守るために特に名を秘した2人の登場人物を除きこの映画は全て真実である』と

          映画の冒頭に流されたテロップでした

 

 物語は南アフリカ政府の軍隊が黒人居住地区を治安維持の名目で奇襲するシーンから始まる

 白人の編集者ドナルド・ウッズはビコが人種間増悪をあおっている攻撃的で野蛮というイメージを
 もっていたが黒人の解放に情熱をかけるビコの人柄に惹かれていく。

 ビコはフットボールの大会後 大勢の黒人の観衆たちの前で演説、カリスマ的人気を得る
 
                                 

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   ドナルド・ウッズと握手をするスティーブビコ      襲撃の犠牲になって死亡した息子を抱きかかえる父

 ビコは 南アフリカ政府にとって危険思想人物とみなされ、自由を束縛され軟禁状態でありながら
 同志が開催したフットボール大会後に多くの観衆を前にスピーチをした。

 {我々はこの国を変える!問題はその最上の道を探すことだ。我々の怒りは当然だが
 忘れてはならない、我々の最大の敵は ある種の人間が別の人間より優れているという考え方だ
 その考えを殺す事は白人だけの仕事ではない。白人に頼る習慣は捨てて黒人である事の誇りに 
 目覚めよう、子供に黒人の歴史を教え我々黒人の持つ伝統と文化を教えれば白人の前での
 劣等感から開放される、そして対等の立場で彼らと向かい合う闘いを採るなら 手を広げて言おう
 ”我々は住む価値のある南アメリカを建設する、白人にも黒人にも平等の国を、
 美しい国土とそこに住む我々のように美しい南アメリカを!”

 警官が黒人を殴りつける暴力が問題なのです、素手の黒人に発砲する警官が、
 飢餓も間接的な暴力と言えます、黒人収容キャンプの絶望感と虚無感も問題なんです。

 政府にとってビコの存在は大きな脅威でした、ビコが拘束地域を出て群衆の前で演説した事に
 目を付け(人種増悪扇動罪だ、お前は毒をまき散らす、閉じ込めねばならん)

 ビコは投獄され、激しく暴行され全身まひの状態になった。1977年9月12日ビコ死亡。
 惨たらしい残虐シーンは全てカット。診察した医者は直ちに専門医に!一刻も早く専門医に!!
 けれど1100キロも先の悪路、激しく揺られ絶命。

 ビコの死は大きな問題になったが、発表された死因は勾留中にハンガーストライキで死亡でした。
 
 不審を持ったウッズは遺体安置所で係員の目を盗んでビコの全身の写真を撮り、後にその写真
 とビコの書いた種類をアメリカに持ち出し本を出版して公にするんですね。

 ビコの葬儀に参列した事が町の人にも政府にも知られ、ウッズも危険人物として自宅に
 軟禁状態にし行動を制限した。けれどウッズは負けなかった。

 (ビコのことを書ける人間は僕だけだ)反対してた妻を説得し国外脱出を決意する。

 妻と5人の子供たちとは別々のルートで、ウッズは髪を染め神父に変装、友人の助けも借り
 ウッズ一家の脱出劇はサスペンスそのものでした。亡命が失敗したら殺される。

 
  真実を訴えようと命がけの逃避行はハラハラ・ドキドキのてんこ盛りで、あわやこれまでか!
  のシーンの連続、途中の幸運に安どしたり、人の情けに涙もし、映画と分かっていても
  どうか無事に、ビコの無念を、南アフリカの現状を全世界に、と祈る思いでした。

 からくも迫りける妨害を逃げ切り、なんとか妻子と合流し小型飛行機で脱出、最後の大きな助けは
 国連パスポート、飛行機は南アフリカ上空、ウッズの膝にはビコの書類が大切に抱えられていた。

 トナルド・ウッズ著の「ビコ」は1978年に出版される、ウッズ夫妻はこの映画の制作顧問を務めた。

   
  公開当時 南アフリカでは劇場が爆破されたことも有ったそうです。


    感動もありサスペンスもありで中身の濃い見応え充分な作品でした........が

   ウッズ一家の逃亡劇に全体の3分の1も使われていたのは予想外でした。

   もっとスティーブ・ビコに焦点をあてた映画を見たかったと、少し消化不良気味だわ。