日々の小さな出来事を集めて | 青い光が見えたから - 16歳のフィンランド留学記

青い光が見えたから - 16歳のフィンランド留学記

「青い光が見えたから(講談社)」の筆者、高橋絵里香による
フィンランドの暮らしの記録。




おいしいパンを見つけた。


Fazerの焼きたて、

クランベリーとカシューナッツのイーストパン。


いつもは素通りしていたスーパーの焼きたてパン売り場で、

何気なく口にした試食のパンの味に感動して、

迷う余地もなく、気が付いたらパンをカゴに入れてた。






小さなガラスの花瓶を見つけた。


セカンドハンドショップめぐりをしていて、

1つ1~2ユーロで購入。


凝ったフォームとガラス細工がきれい。

そこに、そっと小さな花を生けると

その小さな存在が、とてつもなく輝かしく見える。




日常は、

その安定さゆえに

どんなエキサイティングな暮らしでさえも

少しずつ味気のないものにしてしまう。


今いる状況に

満たされなくて、


昨日とは違う今日を、

今日とは違う明日を

望んでいる。


でも、

私たちは生きているから、

昨日と同じ今日が来るはずがなくて。


その変化は目には見えなくても、

きっと自分の中に確かに起こっている。


証拠が欲しいなら、

思い出してみる。


今までの私は

スーパーの焼きたてパンコーナーを素通りしていた。

セカンドハンドショップでも、目に入るのは陶器ばかりで、

透明のガラスはつまらないと思っていた。


だから、

おいしいパンに、小さなガラスの花瓶に

出合う前の私と

出合った後の私では、

やっぱり何かが違っているんだ。


そう思わない?


たかがそんな小さなこと、

でも確かに前に進んでいることの

ゆるぎない証。


苦しいなら、そこからいつか出られる。


今が楽しいなら、この先はもっと幸せにもなれる。


この胸の奥に、もやもやが存在する限り


日常に慣れてしまっても、

心が麻痺してしまわない限り


芯はブレない。



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