田端所属のPFの中でもキョーレツな個性を放っていた“虹釜”“ゲッパ”ことEF65-1118号機。
今は亡きJT客車「スーパーエクスプレスレインボー」専用牽引機として、
チェリーレッドに塗色されたある意味では異端児でございました。
「スーパーエクスプレスレインボー」亡き後、寝台特急「北斗星」号の先頭に立った
同じ“虹釜”のEF81-95号機とは違って、工臨や配給での活躍が目立ち、
イマイチ地味な存在でございました。
それでも一部の熱狂的なファンからは愛されたカマだったのですけれど、
先月、高崎線内を走行中に発火。やむを得ず消火器を使用したコトで再起不能に・・・
先日の尾久公開時が最期のお披露目になったゲッパくんでしたけれど、本日、
長野総合車両センターに往きて還らずの片道切符での旅路に就くことになりましたわ。
今宵はあかめおやじ師 と会長とご一緒して、ゲッパくん最期の雄姿をお見送りすべく、
姨捨駅でバルブしてまいりましたわ。
廃車回送 EF64-1053 + EF65-1118 配9433レ
姨捨駅
過日のPF、1107号機の廃車回送時と同じく、
高崎のEF64-1053号機にエスコートされて、
粛々と姨捨駅へと入線する配9433列車。
30名くらいのファンが集結してのお出迎えでございます。
来年は全検で秋田入場なんて話題になっていた矢先。
その瞬間はあっさりとやってまいりましたわ。
廃車回送 EF64-1053 + EF65-1118 配9433レ
姨捨駅
チェリーレッドと車体側面の「EF65」のインレタがまごうこと無き“虹釜”の証。
既に取り去られたナンバープレートに製造会社銘板に区名札挿し。
そして所属を示す楕円の「JR東日本」銘板。
尾灯も抜き取られ、死んだ魚の眼みたい・・・
先日の1107号機と違って見るも無残な痛々しい姿でございました。
しかもナンバープレートの跡にはマジックで「EF65-1118」と手書きされてるし・・・
廃車回送 EF64-1053 + EF65-1118 配9433レ
姨捨駅
りんごほっぺ付けられ、パンタも下ろされたままの1118号機。
まぁ、パンタが上ったところで、もう自分では動くことの出来ないゲッパくんですけれど、
それでも“虹釜”の風格と輝きは最期まで色褪せてませんよね?
地元でゲッパくんの撮影が出来るなんて夢にも思ってなかったあたしでしたけれど、
まさかこんなカタチでぱしゃりするコトになるなんて、露程にも思ってませんでしたわ。
廃車回送 EF64-1053 + EF65-1118 配9433レ
姨捨駅
先日の1107号機と同じく、「姨捨」の駅標と絡めてぱしゃり。
往きて還らずの片道切符の旅路となったゲッパくん。
最初で最後となった善光寺平の夜景を
物言わぬ彼はどんな思いで見つめていたのでしょうね?
牽引するEF64-1053号機のヘッドライトが
眼下に広がる夜の煌めきの中に溶け込んだ時、
それが彼の長い旅路の果てに辿り着く終着駅・・・
ありがとう“虹釜”・・・
そしてお疲れ様、ゲッパくん。