掲載許可をいただいた「間取り相談のお客さま邸」の間取りのビフォーアフターをピンポイントで紹介する『サクッと間取り相談シリーズ』。
今回は、埼玉県在住のY美さんちのケース①「美容室エリア」をサクッとご紹介。
当初計画していた部屋の広さは8帖。
店舗運営に必須のパーツを細かく検討してみると、どう頑張っても10帖は必須と判明。
家具レイアウトは後でいいか…と先送りしてたら大変な事態になるところだったよなぁ…という話。
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■Y美さんちの基本情報
- 木造平屋建ての新築(美容室兼用住宅)
- 非営利タイプのビルダー(←埼玉県特有のコスパ最強ビルダー)
- 夫婦+子供2人(未就園児)
- 夫婦共働き
- 整理整頓苦手。見せる収納は苦手なので扉付にしたい。
- 提案された「まったく違う2案」で迷う。どちらも良し悪しがあり絞り切れない。美容室のレイアウト、各室の日当たり、水回り動線、濡れずに行ける駐車場動線に不安。ビルダーからは積極的な提案が乏しく、基本的に自分たちで修正希望を考えるスタイルなので、これ以上どうしたらいいかわからない。今後修正を繰り返したとして希望の間取りになるのか不安。
まずはY美さんちのビフォー(A、Bの2案)、「美容室エリア」付近↓
■Y美さんの希望
- 美容室は一人で対応。来客も一人を想定。
- シャンプー台、セット台を置きたい。
- 店舗トイレは朝など混雑時間帯、家族も使う。
ふむふむ、なるほど…
Y美さんに具体的な使い方をお尋ねして、気になった部分がこちら↓(赤色範囲が美容室エリア)
- 提案は「靴を脱いで上がるタイプ」のようだけど、それで問題ない?
- Y美さん迷った末に、靴のまま出入りするタイプに変更…つまり、店内の段差が不要に。
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- A、B両案ともに、店内からダイレクトに「トイレに入るスタイル」だけど、面積的に「仕方なし…でOK?」
❸
- A、B案ともに漠然と「8帖くらいあれば何とかなるだろう」という状態…。
- 美容室に必須の機材類は問題なく配置できる?間取り作成の早い段階で8帖で不足がないか、早急に検討すべきかと。
- カンタンに必要機材を入れてみるも…8帖では、ただ詰め込んだだけの「自他ともに快適な店」とは言い難い状態に
- 店舗入口が内部が見づらい玄関ドアとなっていたので、店内の様子が外からもわかりやすい「引違いサッシ」とした。
- 段差をなくしたことで、店内を一体で広く使える。
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- 店内からダイレクト…ではなく、来客が気にせず使えるように、少し空間を挟んだトイレ配置にした。
❸
- 「シャンプー台」「カット台」だけでなく、作業手順を順に確認していくと「流し台」「レジ台」「待合」「収納」も小さいながらも必須で、それらを配置。
- 極力無駄なく、なおかつ来客がくつろげる空間に…とすると、当初8帖の計画だったが約10帖は必須であることが判明。
- ちなみに、美容室部分を8→10帖としても、建物全体では、諸々無駄を省き、当初より建物が2.5坪小さくなった!
Y美さんは、この提案を気に入ってくださり、採用候補に。
あとはビルダーさんに「こんな風にしたいです!」と
お願いするのみ!
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実はY美さんち。すでに完成しており、完成報告もくださっているので、ちょこっとご紹介。
「店舗空間をひとまず確保…」で終わらせず、「置くモノのサイズ、各所寸法を考慮しての10帖確保」と、細かく先手を打ったことが、のちのち効いたのだと思う
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今回の記事は店舗内の話だけど、住宅もまったく同じことが言える!
あなたの図面には、置く予定の家具が「予定サイズ」で書き込んでありますか?
その家具を配置しても、動線に無理はないですか?
特に持込予定の家具は、すでにサイズが分かっているので、図面に同じサイズで書き込んでもらうといいですね。
購入予定のモノも、正確でなくてもいいので、大体のサイズの記載をお願いされてはどうでしょうか?
想定より広すぎた、狭すぎた、置けるけどジャマ…といったことが見つかるかも。
間取りの終盤になって、もしくは間取り決定したから、引っ越してから、予定の家具が置けない、置いたら部屋が使えない…となっては大変なので、早めの検討をおすすめします!
それでも家具配置が不安…という場合は、坂口が重箱の隅をつつくがごとく…助っ人いたします(^^)/