布団が敷けない来客寝室 | 失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

失敗しない間取り相談 新築|リフォーム 間取りアドバイザー 坂口亜希子

セルフチェックで「あなたのマイホーム図面」を辛口主婦目線に耐える図面に変身させます!
日々家事をこなす主婦であり建築士だから気づく!わかる!間取りのアドバイス。

掲載許可をいただいた「間取り相談のお客さま邸」の間取りビフォーアフター(原案→提案)をピンポイントで紹介する『サクッと間取り相談シリーズ』。


今回は、愛知県在住のMご夫妻さまの親世帯ケース①「和室エリア」をサクッとご紹介。


 

 

先日「M妻さんシリーズ」として紹介した「2世帯リフォームの子世帯」に引き続き、今回は1階部分の「親世帯」の話。

当初、子世帯の間取り相談のみをご依頼だったんだけど、坂口の仕事っぷりを見て?
親世帯も見て欲しい!とご依頼くださった。

お嫁さんであるM妻さんが指揮を執り、お義母さん(時々お義父さんも参加)と賑やかな間取り相談を数日後におこなった。




・・・・・

 



■親世帯Mさんちの基本情報

  • 夫実家の増築&大規模リフォーム(別玄関、1階親世帯、2階子世帯)
     
  • 親世帯夫婦+子供1人(社会人)
  • 夫婦共働き(まだまだ現役!)
     
  • 別世帯の独立した子供たち(4人兄弟)一家が、日帰りや泊まりに来ることも多く、人の集まる家。
  • とにかくモノが多い。
  • 収納は扉付が好み。
     
  • 信頼できる営業担当さんだが、間取りが全体的にしっくり来ておらず、動線も心配。各収納のサイズや使い勝手も不安。




まずは親世帯Mさんちのビフォー(原案)、「和室エリア」付近↓


  • モノが多いので下を収納に使おうと「高さ40㎝の小上がり」に
  • 帰省した子供一家の布団を敷きたい(4組)
  • 孫が遊ぶ「トランポリン」「滑り台」を置きたい
  • ピアノは孫が弾くかも…
  • 今は持ってないが、いつか仏壇を置く予定
  • 隣接のWICの入口がドアなのが気になる。収納の仕方もこれでいいのか…。



ふむふむ、なるほど…

あなたならどうしますか?



M妻さんや、お義母さんに具体的な使い方をお尋ねして、気になった部分がこちら↓



■気になった点

  • 「小上がり」には、長さ不足で布団が全部乗らない(←M妻さんは察知していた)
  • 最大4組の布団…ということだが、3組が限界っぽい。1組は下の空間に横向き?
  • 「小上がりにする目的」が収納不足解消とのことだけど、タタミを跳ね上げるタイプの収納は、上にあるモノをどかしたり、床下からモノを出し入れする動作は少し使いづらくない?面倒ではない?
  • 40㎝を一気に上がるのは大変なので、階段代わりの台が必要では?
  • 夜間、不慣れな来客が落ちない?


  • 押入の半分サイズの収納に「敷布団」は入らないが大丈夫? (青色□が3つ折りした敷布団サイズ)
  • 隣室のWICに仕舞う?

     

  • 収納スペースは確保したいが、和室空間と分ける必要はないとのこと。であるなら部屋を別にしなくてもいいかも…




↑これらを↓このように改善してはどう?と提案。




■改善した点

  • 空間の有効活用を思うと「小上がり」が「足かせ」となるため、中止に。
  • 「上のエリア」「下のエリア」と分かれないので、布団も最大4組まで敷ける。
  • 孫の遊びグッズもエリアを気にせず広げられる。落下の心配もなくなる。


  • 布団を敷く場所のすぐ前に大容量の押入を設けた。
  • 布団以外のモノも沢山入る。間口も広く出し入れしやすい。


  • 「小上がり」を中止したことによる「収納減」は新たに設けたWICや押入などで十分に補えることを確認した。(収納予定のモノを具体的にお尋ねし、置場に不足はない)


【補足】

  • また、隣接するダイニング側の出入口を「片引戸2本建て」にして、日常的には扉2枚分を開けっ放しで使えるようにした。
     
  • これにより、和室空間の明るさをダイニングにも入れることができ、和室を含めて一体感が出るようにした。(ダイニングから和室で遊ぶ孫の様子も見やすいかな…と!)
  • 当初あった「物干し」は、使い方を具体的にお尋ねしてみると、ここには不要と判明したため中止とした。
     



M妻さんもお義母さんも、この提案を気に入ってくださり、採用候補に…。

あとはビルダーさんに「こんな風にしたいです!」と
お願いするのみですね!


・・・・・・


あなたの間取りで「時々布団を敷く」予定の場所はありますか?

シングル布団を敷くには、最小限で1m×2mの場所が要ります。

お手元の図面の縮尺が1/100ならば、「ご自宅にある定規」で1㎝×2㎝をそこへ書き込んでみてください。

 

問題なく敷けそうならOK!
あれれ?イメージと違うぞ…

となっていないか?今一度確認してみてはいかがでしょうか。