「マイホームづくりで第三者に間取り相談?」
「我が家の建築士が希望を踏まえた間取りをよさげに作ってくれるんでしょ?」
「わざわざ間取り相談なんて必要ある?」
という質問に対する回答の話。
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「マイホームづくりで第三者に間取り相談する必要がある時ってどんな時?」
結論から先に言うと…
打ち合わせを重ねても提案された間取りにモヤモヤポイントが目立つ状況だとして…
■設計者が住宅(特に主婦目線)に特化した建築士じゃない可能性があるとき。
(医師免許があるだけでなく名医だとしても、内科医が不慣れな外科手術はできないのと似てるかも…)
もしくは、
担当建築士の重視している事柄が「住まい手(特に家事担当者)目線」ではなく
■「一般的で無難な目線の間取り」「使い勝手より見映え重視の間取り」を推しがち
または
■「指示通りの図面を(なる早で)作成することに集中している」「さらなるアドバイスをくれない」
という傾向があるとき…だと私は思う。
つまり逆のケースでモヤモヤがないなら当然、間取り相談などまったく不要だと思っている。
ちょっと余談になるけど…
先ほど「特化した建築士ではない」という話をしたが、実際間取り相談を受けられるお客さんの中には「ご自身が建築士」の方もおられるのだ。
これって結構びっくりされる話なんだけど、実話なんだよね。
今まであった実際の相談者さんとしては…
- ご主人さまが一級建築士(普段は駅ビルなど、大型施設を設計)
- ご主人さまが一級建築士事務所の所長さん(主に土地がらみの不動産系)
- ご主人様が工務店を経営(プランは社員の設計者が担当)
- ご主人様が大工さん
- ご主人様が工務店を経営(住宅設計もするが、普段家事をしない)
- 奥様が二級建築士(普段、設計実務をしていない)
などなど、建築士や工務店経営者だとしても我が家の間取りで悩んでおられるというね…
美容院に行くと、担当さんや補助の人と他愛もない話、しません?
私は積極的にする方。
おしゃべり好きなので、これも楽しみの一つである。
ただ、カラーとかパーマの待ち時間は、メインの座席は空ける必要があるのか、ひとりさみしく壁際に追いやられる(←言い方!)ワケなんだけど、毎度この時間がもったいない!と思い、こっそり「プランを練る」時間に充てている。
プランを練るとは、近日間取り相談を控えたお客さんちの間取り図とお悩みを持込み、それを広げ、ひとりあーでもないこーでもないと試行錯誤をするのだ。
↑コレ私の通ってる美容室。奥の階段手前にある待機専用カウンターの左端がお気に入り
店の片隅の壁際なので、案外集中できる。
ここでいくつも難題打開案が降ってきたこともあり、ある意味私のパワースポットでもあったりする(笑)
↑例えばこんな感じでここで、ビルダー原案とモヤモヤを打開するための代替案を練っている
先日、普段担当しない補助の人が私の担当についたんだけど…
私が広げている図面がチラッと目に入ったようで…
「え、図面ですか?」
「坂口さんって建築士なんですか?」
「職場以外でも仕事しないといけないんですか?」←私が自営とは知らないので
と尋ねられた。
彼女に建築士であることや、普段どんな仕事をしているか?をカンタンに説明した。
①かつて…(設計するだけの)設計事務所と(建築する側の)建設会社設計部で得た知識を活かし間取り相談をしている
②ハウスメーカーや工務店で間取りづくりをしている人の影武者的存在として間取り作成の手伝いをしている
…と。
今回は美容室での場面だけど、これと類似の場面は今まで何度もあって、①②を説明すると大抵の人はみな同じ反応をする。
月一でハウジングセンターのイベント仕事もしてるんだけど、そこで出会うご家族は今からビルダーを決め家づくりを始める人ばかり。
我が家オリジナルの間取りづくりの大変さをまだ知らない段階。
この時点での反応は正に…である。
え?でも、目の前に我が家担当の建築士がいるんですよね?
その担当者が、よさげに考えてくれるんじゃないのですか?
わざわざ第三者に依頼する必要あるんですか?
…ホント、ごもっともな意見である。
建築士の免許があるんだから、どんな間取りもちょちょいのちょい!でイメージ通りの素敵なものにしてくれるに違いない!
特にそれが一級建築士だったら、無理難題もサクッと解決するんじゃない?
って思うよね。
でも実はこれ、間取りづくりを「そこそこの域までやったことがない人」がよくいうセリフで…
一からマイホームづくりをしたことがあって
間取りにこだわりのあって
我が家に特化した間取りにすべく「奮闘したことのある人」は、
「確かに!担当者になかなか上手く思いを伝えられなくて苦労したわ」
「あの時、そういう相談に乗ってくれる人いたらよかったかも!」
と口をそろえておっしゃる。
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目の前の提案間取りに対し、なんとなく違和感があるのは自分でもわかるんだけど…
でも、具体的にどこをどうすれば違和感がなくなるのか?がわからない。
違和感があると担当者に訴えても、「みなさんこんな感じですから大丈夫ですよ~」と軽く流され、自分が考えすぎているだけなのかも…と、それ以上何も言えなくなるが、違和感は残ったままなのでモヤモヤが蓄積していく。
このモヤモヤを解消するのが間取り相談の役目なのだ。
住まい手だけでなく、担当者も、一度「ここはこうでないといけないし…」と思い込んでしまうと、なかなかそこから抜けられない。
先入観が少ない第三者は、また違った視点で問題解決の糸口を見つける可能性があるんじゃないか?と思うんだよね。
とある有名ハウスメーカーの提案で行き詰っていた方に、違う目線の提案をしたときの図面。
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美容院の助手さんは、初めの内こそ「間取り相談?ニーズある?」「依頼する人いるんですか?」とは、さすがに直球で言わないが、ソレっぽい反応だったんだけど、話をするうちに…
なるほど…確かに大事ですよね~
何千万も掛ける家なんだから絶対やった方がいいじゃないですか!
もっと周知されるといいですよね!
坂口さん、頑張って下さい!!
と、熱く励まされた(笑)
「は、はいっ、頑張ります!」
あなたもマイホームの間取りづくりで類似のモヤモヤがあるならネット検索などで、よさげな「間取り相談をしてくれる人」を探して、見てもらうといいかも!