佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
これまでブログで、脳卒中後の見逃されやすい症状について度々取り上げています。
見逃されやすい症状の中には運動麻痺や高次脳機能障害など脳卒中特有の症状だけではなく、「疲労感」も含まれます。
脳卒中後の疲労感
脳卒中後、運動機能障がいがほとんどみられないのに、疲労感を訴える患者さんが数多く存在し、さまざまな調査が行われてきました。
当院にも、脳卒中後や脳卒中の手術後の方の中で、リハビリ以外の時間は寝ていないといけないぐらい疲れていらっしゃる方もいます。
脳卒中後の疲労感について、Acciarresiらは、「発症早期からの疲労感、エネルギー不足、身体的、心理的な活動への嫌悪感などがあり、通常の休養でも改善(Acciarres,2014)」と定義しています。
脳卒中後の疲労感は、30~68%とばらつきがあるものの脳卒中後の疲労感の発生率であると報告されています。
脳卒中発症後の早期からの疲労感は炎症などの要因が関与し、晩年発症の疲労感は心理的・行動学的要因の関連が強いという報告もあります。
脳卒中後の疲労感のセルフマネジメント
脳卒中後の疲労感のセルフマネジメントに関する研究論文が、昨年の2023年に公開されています。
セルフマネジメントとは、他者が個人を管理するのではなく、課題を解決したいと考える個人が自らの意思でマネジメントしていくものです。
脳卒中後の疲労感のセルフマネジメントには、以下の事柄などを主体的に取り組むことが大切です。
① 脳卒中後の疲労感の適応
② 脳卒中後の疲労感の知識の獲得
③ 脳卒中後の疲労の受け入れ
④ エネルギー消耗抑制
⑤ 適切な生活習慣
体力作りをしたり、十分な休息をとっても、なかなか疲労感が回復しない方が多いのではないでしょうか。
わたしも担当させていただく方の脳卒中後の疲労感を見逃さないように、また実績を作りながら他の脳卒中後の方の疲労感についてもサポートしていきたいと思います。
引用・参考
1) 豊永 敏宏:治療と就労における阻害要因~脳卒中後の疲労感の特性~. 日職災医誌,68:162─169,2020
http://www.jsomt.jp/journal/pdf/068030162.pdf
2) 佐藤美紀子 他:脳卒中後疲労のセルフマネジメントの概念分析. 日本看護科学会誌 J. Jpn. Acad. Nurs. Sci., Vol. 43, pp. 622–633, 2023
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans/43/0/43_43622/_pdf/-char/en
☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆