佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



「 脳卒中急性期リハビリテーション診療の指針」が2024年1月にオープンアクセスにて公開されていましたので、業務の合間に読み込んでいました。



年々、さまざまなリハビリテーションの考えを見聞きしますが、基本はしっかり押さえておきたいと思っています。



例えば、急性期の脳卒中発症後のリハビリテーションではどのようなことに注意すべきかなど。



基本を押さえておくことは、患者さんの今後を左右する可能性が大きいので、主治医の指示に従うのはもちろんのこと、あらゆる可能性を考えて学んでおくことがリハビリテーションスタッフの務めだと思っています。



この指針を読んで改めて頭に入れておきたいと思った内容をピックアップします。



☑︎ 急性期脳卒中(主に脳梗塞)でベッドから離れる適切な時期



・エビデンスはいまだ十分でないが、現時点では24〜48時間からの開始が妥当かもしれない



・ただし、軽症脳卒中や非高齢者の虚血性脳卒中などの患者を選択した上で、さらに離床時間を短くし、頻度を増やすなどの配慮をすれば、発症後24時間以内の開始を考慮してもよい



☑︎ 脳卒中急性期リハビリテーションの適切な「訓練時間」と「訓練回数」


・1日あたりに施行されるリハビリテーション訓練時間を長くすることにより、機能予後が改善する可能性がある。よって、至適な訓練時間は不明であるが、訓練時間を長くすることを考慮してもよい。


・1日あたりに施行されるリハビリテーション訓練回数を多くすることにより、機能予後が改善する可能性がある。よって、至適な訓練回数は不明であるが、訓練回数を多くすることを考慮してもよい。


☑︎ 脳卒中急性期リハビリテーション訓練の適切な強度


・至適な強度は明らかではないが、訓練の強度を上げることで、機能予後が改善する可能性がある。よって訓練の強度を上げることを考慮してもよい。



脳卒中発症後の急性期だけではなく、さまざまな時期のリハビリテーションは医師の指示やリスク管理の指示などを仰いで実施していきます。


病院によっては、具体的な運動強度やリハビリの回数の指示が出されないことがあるかもしれません。


日本脳卒中学会が公開した指針には、離床のタイミングや訓練時間などについて、可能性や考慮してもよいとの文言が多数みられますが、それだけ確実な明確な指標を見出しにくい分野なのかもしれないと感じました。


だからこそ、おひとりおひとりの状況を把握して、リハビリテーション計画をきめ細やかに立案し、経過を追うことが大切だと思います。


これからも、公的機関や各種団体から出されるマニュアルや指針などに積極的に目を通し続けたいと思っています。



引用・参考



1) 日本脳卒中学会「脳卒中急性期リハビリテーションの 均てん化および標準化を目指すプロジェクトチーム」:脳卒中急性期リハビリテーション診療の指針.脳卒中 46巻1号(2024:1)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/46/1/46_11206/_pdf/-char/ja



☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆