佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



脳卒中後、1日あたりのリハビリ実施時間や何ヶ月ぐらいリハビリを続けた方がよいのか疑問に思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。



わたしも、患者さん方から似たような質問を受けますが、臨床の肌感覚としては「量より質」なのか「質より量」なのかはわからないと答えることが多いです。



わたしはここ数年で担当させていただいた脳卒中後の外来リハビリでは週1回、1回あたりは40分〜1時間配分で対応していますが、いずれも麻痺手の機能回復を認めています。



当院での脳卒中後の外来リハビリ希望の方は、脳卒中後の手の機能回復を希望される方が多い印象で、麻痺は軽いのに日常生活では使いにくい手になっていらっしゃる方が多いです。



脳卒中後のリハビリ時間と回復の関係を見ている研究は複数あります。



週あたりのリハビリ量や、週あたりのリハビリ回数などが多いグループでは日常生活動作の改善や麻痺手の使用量に効果をもたらすが、麻痺手や麻痺足の機能回復には有意義な差がなかったとの報告があります。



しかし、脳卒中治療ガイドライン2021では、回復期において訓練時間を長くすることは妥当であると記されています。



また、他の報告では一日あたりのリハビリ量が4単位未満(80分未満)、4単位以上(80分以上)、6単位以上(120分)で比較して、日常生活動作や自宅退院に差があったという報告もあります。



脳卒中後の研究では、全く同じ内容のリハビリ実施が難しかったり、発症年齢やダメージを受けた脳部位や麻痺の重症度などがさまざまなですので、結果にばらつきがある印象です。



確実に一日あたりどれぐらいすればどうなるのかは言えない現実です。



しかし、ここ数年でのわたしが実施させていただいている外来リハビリ結果では週1回の40分〜60分のリハビリ時間で回復を認めています。



患者さんおひとりおひとりの状態やリハビリ内容で回復の状態が異なってくるのだと思います。



改めて、量も質も担保できるように毎日の臨床を励み続けるしかないと実感しました。



引用・参考


1) Beth Clark et al. The effect of time spent in rehabilitation on activity limitation and impairment after stroke.Cochrane Database Syst Rev..




2) 松野 悟之:脳卒中治療ガイドライン 2021 におけるリハビリテーション領域の動向. 理学療法科学 37(1):129–141,2022

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/37/1/37_129/_pdf



3) 永井将太 他:脳卒中リハビリテーションの訓練時間と帰結との関係:全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会調査(第2報). Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science (2011)

https://square.umin.ac.jp/jjcrs/2011_77-81j.pdf



☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆