佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。

 

 

脳卒中後のリハビリテーションとして、効果があると報告されている内容や方法がさまざまありますが、自分自身には合わないなとか実際に入院中に実施しても反応がなかった方が少なくないと思います。

 

 

従来型の医療の考え方として、「One size fits all」という一般的な・平均的な患者さんに対してデザインされたものを行うというものがあり、簡単に訳すと「万能型」と言えます。

 

 

しかし、、「One size fits all型の医療」は、異なった視点で見れば「ある治療方法は効果がある患者さんもいれば効果がない患者さんもいる」「ある患者群には効果があっても、その他の患者さんにはほとんど効果がない」とも言える考え方です。

 

 

これに対して、2015年米国一般教書演説においてオバマ大統領が発表した「Precision Medicine Initiative」が注目されことについて覚えている方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

Precision Medicine Initiative」は、平均的な患者さんを対象とした従来型の医療から脱却し、遺伝子・環境因子・生活習慣などに起因する個人ごとの違いを考慮した予防や治療法の確立を目指すプロジェクトのことです。

 

 

この考え方を知っておくと、「どんな脳卒中後の患者さんにでも通用する効果があるもの・画一的なものはなく」、おひとりおひとりの状態や背景や考えに合わせた「個別化された」治療方法を確立することの大切さがわかります。

 

 

 

 

脳卒中後のリハビリに限ったことではありませんが、確立しているリハビリ内容でも、患者さんの個別の状況に合わないのであれば実施しません。



患者さんとよく話し、症状を見極め解釈し、できる限りのことを行い続けることが大切だと思っています。



リハビリの方法には万能のものはないと心に刻み、毎日進んでいきたいと思います。

 

引用・参考

 

1) 松本 久子:Precision Medicine.アレルギー68(9)1148-1149,2019

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/68/9/68_1148/_pdf



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