佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。

 

 

脳にダメージを受けたときに出現することがある 「高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)」をご存じでしょうか。

 

 

脳卒中後、さまざまな検査を行っていく中で、「高次脳機能障害」という耳なじみのない言葉を聞いたことがあるかもしれません。

 

 

脳には、手足を動かしたり、食べ物を飲み込んだり、見たり聞いたりすることができる「生きていくうえで必要な」「基本的な機能」を命令したり調整したりする役割があります。

 

 

その他にも脳にはさまざまな役割があり、朝ご飯に食べたものが何かを覚えていたり、掃除をするときの計画を立てたりするなど、日常生活に欠かせない「高度な機能」を調整する役割をもっています。

 

 

この「高度な機能」のことを「高次脳機能(こうじのうきのう)」と呼びます。

 

 

脳卒中後、高次脳機能に関わる神経細胞や神経線維にダメージを受けると、さまざまな高次脳機能障害が出現します。

 

 

高次脳機能障害は、見た目ではわかりにくく、周囲の方から理解されにくいことも多く、「脳卒中になったと聞いたけど、どこが悪いの?」とたずねられることがあるとうかがいます。

 

 

また、脳卒中後に入院された病院で高次脳機能障害に関する検査を行って、医療スタッフから見逃されたりすることもあります。

 

 

転院してこられた方や外来リハビリを行うようになった患者さんが、以前の病院で高次脳機能障害の指摘を受けなかったということを教えていただくこともしばしばです。

 

 

さらに、入院しているときは病棟生活で困ることがなくても、自宅退院後の生活の中で困りごとがみられることもあります。

 

 

脳卒中後の手足の動きにくさと異なって、高次脳機能障害は少しの間だけ接しただけではわからなかったり、患者さんご本人だけではなく周囲の方々にとってもわかりにかったりするので、両者とも困惑するような場面を見聞きします。

 

 

このため、高次脳機能障害は、「みえない障害」と例えられることもあり、一般的にもなかなか浸透していない印象です。

 

 

高次脳機能障害は、外から障害があることがわかりづさらがあるため、ご本人や家族の負担が大きくなります。

 

 

脳はおおまかに右の脳と左の脳の高次脳機能の役割が異なります。

 

 

話したり、読んだり、計算は左側の脳の役割、見えている空間の配置や音楽など芸術面は右の脳の役割です。

 

 

ものごとの計画をたてて実行することは、脳の前方の部分が役割を担います。

 

 

高機能機能の役割を担う脳の部分は、たくさん分かれていますので、脳卒中でどの脳の部分にダメージを受けたかで出現してくる高次脳機能障害は異なります。

 

 

また、ひとつの高次脳機能障害のみが出現することはまれで、いくつかの症状を認めることが多く、より外から障害があることをわかりづらくしているのです。

 

 

リハビリでは高次脳機能障害がある方にに対して、症状を見極め支援する内容を組み立てていきます。

 

 

また、わかりにくい高次脳機能障害の状態を本人や家族に説明し、日常生活での過ごし方などを指導します。

 

 

高次脳機能障がいは、ご本人・ご家族ともにわかりにくさからくるストレスとも付き合わなくてはならない場面が多々あります。

 

 

リハビリテーションの支援として、高次脳機能障がいに対するリハビリ内容に加えて、心理的サポートもしっかり行っていきたいと思っています。

 

 

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