佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。

 

 

脳卒中後、左の手足に運動麻痺がある場合、左側の空間がわかりにくくなる「半側空間無視」が症状としてある可能性があるので、初回評価時に確認します。

 

 

机上で行う半側空間無視に関する検査を行っても、症状を認めないことも多々あります。

 

 

半側空間無視がある方の観察で評価できる検査方法があり、臨床場面では机上での検査だけではなく、観察をしっかり行います。

 

 

代表的な観察での検査法は2つあります。

 

 

CBS(Catherine Bergego Scale)とKF-NAP®です。

 

 

CBS(Catherine Bergego Scale)は、観察者による観察と本人の自覚として観察と同じ内容を質問していきます。

 

 

観察者の評価と本人の自覚が一致しているかどうかも確認することができます。

 

 

他者は本人の半側空間無視の症状を知っていても、本人は気がついていないことも多々あります。

 

 

このように半側空間無視がある場合、観察にてしっかりと症状の有無を把握していくことが大切です。

 

 

KF-NAP®では、目の動きや音に対する反応、食事や更衣のときのふるまいなどを観察していきます。

 


CBS(Catherine Bergego Scale)やKF-NAP®などの標準化された観察方法で、患者さんの半側空間無視の状態をしっかり把握することができます。



なかなか机上の検査では半側空間無視の症状がなくとも、日常的な動作や行為の中で症状を確認することができます。



日常的な動作や行為を確認して、半側空間無視の症状をリハビリスタッフとして把握することは、移動中の転倒転落などのリスクを防ぐことにつながると思っています。



これからも、見落とされやすい高次脳機能障がいのひとつである半側空間無視についても勉強し続けたいて思います。


 

引用・参考

 

1) 大島 浩子 他:半側空間無視(Neglect)を有する脳卒中患者の生活障害評価尺度.日本看護科学会誌 J. Jpn. Acad. Nurs. Sci., Vol.25, No.4, pp. 90-95,2005

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans1981/25/4/25_90/_pdf

 

 

2) Kessler Foundation Neglect Assessment Process: KF-NAP® 2023 Manual

 https://www.researchgate.net/publication/373277881_Kessler_Foundation_Neglect_Assessment_Process_KF-NAPR_2023_Manual



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