佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



リハビリ支援を行う中で、「歩けなくなった」「トイレに行けなくなった」など、患者さんご自身のできなくなって困っていることについてお話ししていただいています。



ご自身のできなくなったことばかりに目を向けると、不安になったり焦ったりすることが多いのではないでしょうか。



もちろん、ご自身でできなくなったことをしっかりと把握することはリスク管理の上でも重要なことです。



また、リハビリスタッフにおいても、できなくなったことを確認することがあると思いますが、大切なことは「どうすればできるか」を考えることだと思っています。



できないことについては、原因をしっかり見極めた上で、「どうすればできるのか」ということを考えていきます。



「どうすればできるのか」🟰「手段をみつける」という視点です。



例えば、脳卒中後、「トイレに行くことができない」ということについて考えてみます。



​【トイレに行くことができない】

1) できない原因


① 起き上がりができない


② 車椅子への乗り移りができない


③ 車椅子を駆動できない


④ 歩けない


⑤ 立った姿勢でバランスを保てない


⑥ 片手でスボンの脱ぎ履きができない


⑦ 尿意や便意がわからない


2) 考えられる手段


① 病棟スタッフとトイレに行き、全て介助にて対応


② 出来る動きは見守りで、できない動きを手伝いにて対応する


③ ポータブルトイレを使う


④ 各要素の動きが安全にできるようになった後に一人でトイレにいく


⑤ 福祉用具(採尿器や尿瓶など)を用いる


3) どの手段を用いるか検討する


・上記に挙げた手段の中で、実用性の高い手段を患者さんとスタッフとで選んでいく


・患者さんご本人の大切にしたい気持ちを把握する

→ 例えば、介助でもトイレで排泄したい、誰にも手伝ってもらわない状態で排泄したい


1)〜3)を十分に検討して、どうすればできるのか考えて実行していく



上のように、できないことや困っていることについて、どうすればできるのか具体策を見つけていきます。



患者さんが大切にしたい気持ちを優先に手段を選ぶことが重要ですが、必ず手段がみつかるというわけではありません。



それでも、何か手段がないか考え、資料を読んだり、スタッフさん達と話し合っていきます。



脳卒中後のお体や心の状態はおひとりおひとりで異なります。



患者さんごとに、さまざまなことを検討していくことが、支援が必要な患者さんへの知識の積み上げになっていくと思っています。



何ができないかという点に留まらず、どうすればできるのか具体策を練っていきたいと思っています。



☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆