佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。

 

 

脳卒中後のリハビリを行なっていく中で、基本的な動作がさまざまな日常の動作につながっていくと実感した経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

立ち上がりやすくなると、トイレがしやすくなったり、立った姿勢でキッチン周りの仕事がしやすくなったりします。

 

 

 

このようにさまざまな生活に関連する共通事項の動作のことを基本動作と呼びます。

 

 

今回は、日常生活動作と基本動作の関係についてしたためていこうと思います。

 

 

 基本動作とは

 

基本動作は、以下の動作のことを指します。

 

 

✔ 寝返り

 

 

✔ 起き上がり

 

 

✔ 座位

 

 

✔ 立ち上がり

 

 

✔ 立位

 

 

✔ 歩行

 

 

このような基本動作は、日常生活において繰り返されるさまざまな動作に含まれます。

 

 

基本動作自体には何か意味を持つものではなく、日常生活動作を行うときに実行されて意味をもつものです。

 

 

脳卒中後、手足が動きにくくなると起き上がりや立ち上がりなどの基本動作ができずに、日常生活動作に支障を及ぼします。

 

 

 日常生活動作と基本動作の関係

 

身のまわり動作が行いやすくなるためには、「どのような部分が行いにくいか」「なぜ行いにくいのか」を分析してリハビリの内容を考えていきます。

 

 

トイレ動作を例に考えてみましょう。

 

 

~どのような部分が行いにくいのか~

 

✔ 車いすと便器の乗り移りが難しい

 

 

✔ 便座の上で安定して座ることが難しい

 

 

✔ トイレでお尻を拭くことができない

 

 

上のような部分が行いにくいと仮定します。

 

 

~なぜ行いにくいのか~

 


なぜ行いにくいのかについて、基本動作の視点から考えてみます。

 

 

おおよそ、上記の部分が行いにくい場合、以下の基本動作が行いにくい場合があります。

 

 

✔ 立ち上がりが難しい

 

 

✔ 背もたれのない場所で座ることが難しい

 

 

✔ 座った状態で片方のお尻を持ち上げられない(座った状態で体重を左右移動できない)

 

 

なぜトイレ動作が上手くいかないのかを考えたとき、どの部分の動作が行いにくいのか・なぜ行いにくいのかなど分析し、リハビリの内容を考えていきます。

 

 

 基本動作練習で考えたいこと

 

日常生活動作の改善のために、基本動作自体を練習しようと思ったとき、以下のことを考えています。

 

 

✔ 基本動作の練習を行うときに、難易度を調整する

 

 

✔ 何のために基本動作練習を行うか明確にする

 

 

✔ 繰り返し練習をする

 

 

✔ 動作のつながりを考えて練習を行う

 

 

どのような練習を行うと日常生活動作につながるか考えて支援しています。

 

 

 最後に

 

今回は、日常生活動作と基本動作の関係についてしたためました。

 

 

リハビリ支援を行うとき、どんなことに対してリハビリを行うか明確にして毎日の臨床に励みたいと思います。

 

 

引用・参考
1)鈴木 俊明:身のまわり動作と生活関連動作を考える.関西理学 8:1-5,2008
 

2) 潮見 泰藏:基本動作障害に対する理学療法.理学療法学 第40巻 第4号 244~247,2013

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/4/40_KJ00008722963/_pdf/-char/ja

 

 

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